「有機やカバークロップに挑戦したいけど、手間もコストもかかる…」「環境にやさしい農業に支援はないの?」——そう感じている方は多いのではないでしょうか。
そんな取り組みを後押しするのが環境保全型農業直接支払交付金です。化学肥料・農薬を5割以上減らす取組とセットで、有機農業やカバークロップなどに10アールあたり最大1万円超の支援が受けられます。私は千葉で米農家を営みながら農業の補助金・税務情報を発信しており、本制度も農林水産省の手引き・要綱などの一次情報まで確認して整理しました。
この記事では、令和8年度の単価をふまえ、対象取組・単価・要件・申請の流れ・税金の扱いまでをまとめます。読み終えれば「自分の田畑で使える取組はどれか」「いくらもらえそうか」がはっきりします。
| 📌 この記事でわかること ・対象になる取組と単価(早見表) ・大前提となる「化学肥料・農薬5割低減」 ・対象者と主な要件(みどりチェック) ・申請の流れ・見落としがちな税金の注意点 |
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太智昭栄
Shoei Tachi
- 農業経営者(2022年〜千葉県北東部でお米を生産)
- 日商簿記2級・3級FP技能士取得
- 全国の農家の役に立つ補助金・融資情報を発信
環境保全型農業直接支払交付金は、国の「みどりの食料システム戦略」と深くつながっています。背景や関連する交付金を知っておくと、自分の取組の位置づけが分かりやすくなります。
👉 みどりの食料システム戦略推進交付金の要件・申請方法を見る
環境保全型農業直接支払交付金とは?
環境保全型農業直接支払交付金とは、化学肥料・化学合成農薬を地域の慣行から減らす取組と組み合わせて、地球温暖化防止や生物多様性保全に効果の高い営農活動を支援する国の制度です。
平成23年度に始まり、現在は日本型直接支払の一つとして実施されています。予算の範囲内で交付する仕組みのため、申請が予算を上回ると交付額が減額されることがあります。
| 📜 大前提 この交付金の大前提は、化学肥料・化学合成農薬を都道府県の慣行レベルから原則5割以上低減すること。そのうえで、下の対象取組を組み合わせて初めて支援の対象になります。 |
交付金の対象と交付単価の早見表
全国共通の対象取組と単価(国と地方の合計・10アールあたり・令和8年度)は次のとおりです。
| 対象取組(全国共通) | 交付単価(円/10a) |
| 有機農業(そば等雑穀・飼料作物以外) | 14,000円 |
| └ うち炭素貯留効果の高い有機農業 | +2,000円 |
| 有機農業(そば等雑穀・飼料作物) | 3,000円 |
| 堆肥の施用 | 3,600円 |
| 緑肥の施用(カバークロップ) | 5,000円 |
| 総合防除(そば等以外) | 4,000円 |
| 総合防除(そば等雑穀・飼料作物) | 2,000円 |
| 炭の投入 | 5,000円 |
※「緑肥の施用」には、カバークロップのほかリビングマルチ・草生栽培も含まれます(いずれも5,000円/10a)。このほか、都道府県が地域の実情に応じて独自に設定する「地域特認取組」もあり、対象や単価は地域によって異なります。また、有機農業に新たに取り組む農業者の受入れ・定着を支援する「取組拡大加算(4,000円/10a)」も用意されています。
2つの対象者と主な要件(みどりチェックなど)

対象者は次のいずれかです。
- 農業者団体:対象活動に取り組む農業者が2名以上いる任意組織や法人(代表者・規約・口座を整える)
- 一定の条件を満たす農業者:単独でも、市町村が特に認める場合は対象
主な要件は、主作物を販売目的で生産していること/「みどりチェック」チェックシートの提出/推進活動(技術向上・理解促進)への取組/5年間の事業計画です。
交付金の申請の流れ|5つのステップ
申請が可能な市町村か、対象取組や慣行レベルを確認する。
事業計画・営農活動計画を作成し、市町村の認定を受ける。
5割低減+対象取組、技術向上などの推進活動を行う。
毎年度、交付申請書を提出する。
取組面積やみどりチェックを報告し、交付金を受け取る。
| ⚠️ 注意 予算の範囲内で交付される仕組みのため、申請が多い年は減額されることがあります。また、慣行レベルからの5割低減を示す生産記録の保存が必要です。 |
2026年最新!農家が使える20の補助金を見てみる

環境保全型のほかにも、農家が使える補助金は数多くあります。目的別の一覧で全体像をつかんでおくと、自分に合う制度を見つけやすくなります。
【見落とし注意】交付金は課税対象|確定申告での扱い
意外と見落とされがちですが、受け取った交付金は雑収入として課税対象です。米や野菜の売上とは別に計上し、確定申告が必要になります。「もらって終わり」ではない点に注意しましょう。
有機やカバークロップは資材費などの経費も増えます。交付金(収入)と経費をセットで正確に記帳しておくことが、節税と申告ミスの防止につながります。
よくある4つの質問(Q&A)
確定申告の手間を減らすなら、会計ソフトが近道

交付金(雑収入)の計上に、有機・カバークロップの資材費などの経費が加わると、帳簿づけは一気に複雑に。しかし、クラウド会計ソフトを使えば、収入や経費を入力するだけで、確定申告書まで自動で作成できます。
私も日々の記帳はクラウド会計に任せ、米づくりの時間を確保しています。はじめての方は、まず無料から試せる対応ソフトで仕組みを整えておきましょう。
まとめ:5割低減+対象取組で、環境にやさしい農業を支援
環境保全型農業直接支払交付金は、環境にやさしい農業への挑戦を後押しする制度です。最後に要点を整理します。
| 🌾 押さえるべき3つのポイント ①大前提は5割低減。化学肥料・農薬を慣行から原則5割以上減らす ②対象取組ごとに単価。有機14,000円・カバークロップ5,000円ほか(10a) ③受けた交付金は課税対象。確定申告での処理を忘れずに |
まずは自分の市町村で申請が可能かを確認するところから。制度を活用して、環境にやさしい農業に一歩踏み出してみましょう。
▼出典(一次情報)
農林水産省「環境保全型農業直接支払交付金」令和8年度の紹介・手引き/交付等要綱(令和7年4月1日一部改正)・実施要領(令和8年4月7日一部改正)
千葉県「環境保全型農業直接支払交付金」(対象取組・支援水準の参考)


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