【2026年最新】経営所得安定対策とは?ゲタ・ナラシの仕組みを農家が解説

黄金色の畑で静かなひととき

「米価や畑作物の値段が下がったとき、収入を支えてくれる制度はないの?」——天候や相場に左右される農業をしていると、一度は考えるテーマではないでしょうか。

その不安に応えるのが経営所得安定対策です。よく「ゲタ」「ナラシ」と呼ばれますが、名前だけ聞いても分かりにくく、自分が対象なのかも判断しづらいですよね。私は千葉で米農家を営みながら農業の補助金・税務情報を発信しており、本制度も農林水産省の資料を一次情報まで確認して整理しました。

この記事では、令和8年産の単価をふまえ、ゲタとナラシの違い・対象作物・対象者・申請・税金の扱いまでを解説。読み終えれば「自分が加入すべきか」「米農家にはどちらが関係するか」がはっきりします。

📌 この記事でわかること
・ゲタ対策とナラシ対策の違い
・交付金の対象になる作物と交付単価(早見表)
・加入できる対象者(認定農業者など)
・交付金の申請の流れ
・交付金・積立金の税金の注意点

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この記事を書いた人
たち しょうえい

太智昭栄

Shoei Tachi

  • 農業経営者(2022年〜千葉県北東部でお米を生産)
  • 日商簿記2級・3級FP技能士取得
  • 全国の農家の役に立つ補助金・融資情報を発信

経営所得安定対策のほかにも、農家が使える補助金は数多くあります。目的別の一覧で全体像をつかんでおきましょう。👉 農家が使える20大補助金を徹底比較【一覧表付】を見る

目次

経営所得安定対策とは?2つの柱(ゲタ/ナラシ)

夕暮れの農村で作業する様子

結論からいうと、担い手農家の経営を安定させるための国の制度で、大きく「ゲタ対策」「ナラシ対策」の2つがあります。

  • ゲタ対策(畑作物の直接支払交付金)外国との生産条件の差をおぎなう交付金。麦・大豆などの畑作物が対象。
  • ナラシ対策(収入減少影響緩和交付金):当年の収入が過去平均を下回ったとき、その差額の一部を補てんするセーフティネット

米農家にとっては「ナラシ」が中心。麦や大豆も作るなら「ゲタ」も関係してきます。

ゲタ対策|対象作物と交付単価

ゲタ対策の対象は、麦・大豆・てん菜・でん粉原料用ばれいしょ・そば・なたねです。交付には、収穫量・品質に応じた「数量払」と、面積に応じた「面積払(営農継続支払)」があります。

数量払の平均交付単価(令和8年産〜)は次のとおりです。インボイス制度により、課税事業者と免税事業者で単価が分かれています。

作物(単位)課税事業者向け免税事業者向け
小麦(60kg)5,590円6,000円
大豆(60kg)10,340円10,910円
そば(45kg)15,930円16,730円
なたね(60kg)6,410円6,820円

※このほか、てん菜・でん粉原料用ばれいしょ・大麦類も対象です。上表は平均単価で、実際は品質・規格で変わります。また、数量払の先払いとして面積払は2万円/10a(ただし、そばは1.3万円/10a)が先に支払われます。

ナラシ対策|収入減少を9割まで補てん

ナラシ対策は、米・麦・大豆・てん菜・でん粉原料用ばれいしょが対象です。当年産の販売収入の合計が過去の平均(標準的収入)を下回った場合、その差額の9割を補てんします。

財源は、「農業者1:国3」の割合で積み立てたお金。加入するには、農業者自身の積立金(拠出)が必要です。

💡 ここがポイント
補てんは「収入の9割保証」ではなく、過去平均からの“下がった分”の9割を補う仕組みです。米価下落や不作の年に効いてくる、いわば収入のクッションだとイメージすると分かりやすいです。

あわせて読みたい|水田をフル活用する交付金

経営所得安定対策と並んで、水田で麦・大豆・飼料用米などを作ると受けられるのが「水田活用の直接支払交付金」です。米の作付と組み合わせて考えたい制度なので、あわせて確認しておきましょう。

👉 水田活用の直接支払交付金の要件と申請手順を見る

経営所得安定対策に加入できる人とは

夕日の中の田舎道

対象になるのは、認定農業者・集落営農・認定新規就農者です。以前あった面積などの規模要件は撤廃されており、小規模でも認定を受けていれば加入できます

交付金の申請・加入手順5ステップ

STEP
地域の窓口に相談

地域農業再生協議会や地方農政局の窓口で対象か確認する。

STEP
認定を受ける

認定農業者など、対象者の要件を満たしておく。

STEP
加入申請

ゲタ・ナラシの加入申請書を提出する(ナラシは積立金を拠出)。

STEP
作付・販売

対象作物を作付け、販売する。

STEP
交付申請・受取

数量・収入を申請し、交付金・補てん金を受け取る。

⚠️ 注意
申請には期限があり、対象作物の作付前後の手続きが必要です。年によって単価や運用が見直されるため、毎年、地域の協議会・農政局で最新情報を確認しましょう。

見落とし注意!交付金・積立金の税金と計上時期

ゲタの交付金やナラシの補てん金は、雑収入として課税対象です。米や畑作物の売上とは別に計上し、確定申告が必要になります。

特に注意したいのが計上時期。交付が確定した年に収入として計上するのが原則で、年をまたぐと所得が偏り、納税額が変わることがあります。なお、ナラシの積立金は、税務上の特例で必要経費に算入できる場合があります(詳細は税理士・農政局に確認を)。

よくある4つの質問(Q&A)

米農家はゲタとナラシ、どちらに入るべき?

米農家はナラシが中心です。麦・大豆も作るならゲタもあわせて検討しましょう。

収入保険とどちらがいい?

ナラシと収入保険は同時には入れません。補償範囲や掛金が異なるため、自分の経営に合うほうを選びます。

小規模でも加入できますか?

認定農業者などの対象者であれば、小規模でも加入できます。規模要件は撤廃されています。

交付金に税金はかかりますか?

かかります。雑収入として課税対象になり、確定申告が必要です。計上時期にも注意しましょう。

交付金の計上や確定申告をラクにする1つの方法

パソコンと電卓

ゲタ・ナラシの交付金は雑収入として、売上や経費とは分けて記帳する必要があります。さらに計上時期の判断や積立金の処理が加わると、手作業ではミスが起きやすくなります。

クラウド会計ソフトを使えば、雑収入の記帳から確定申告書の作成まで画面の案内どおりに進められます。私も日々の記帳はクラウド会計に任せ、米づくりの時間を確保しています。はじめての方は、まず無料から試せる対応ソフトで仕組みを整えておくと安心です。

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まとめ:米農家は「ナラシ」、畑作なら「ゲタ」も

経営所得安定対策は、相場や天候に左右される農業経営を支える、心強いセーフティネットです。最後に要点を整理します。

🌾 押さえるべき3つのポイント
① ゲタは畑作物、ナラシは収入減少。米農家はナラシが中心
② 対象は認定農業者など。規模要件はなく小規模でも加入可
③ 交付金は課税対象。計上時期と積立金の処理に注意

まずは地域の農業再生協議会や農政局の窓口へ相談してみてください。制度を上手に使って、ぶれにくい農業経営をつくっていきましょう。

出典(一次情報)
農林水産省「経営所得安定対策」(ゲタ対策 平均交付単価 令和8年産〜/ナラシ対策の仕組み)
農林水産省「経営所得安定対策等の概要(令和8年度版)

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この記事を書いた人

農業|ライター|千葉県山武郡横芝光町でコシヒカリを始めとしたおいしいお米を生産|Word、ドキュメント、WordPressでの記事の執筆|日商簿記2級|FP3級|食品衛生責任者|英検2級

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