【2026年最新】多面的機能支払交付金とは|交付単価と5つの申請手順を現役農家が解説

夕暮れの田園作業風景

水路の泥上げや農道の草刈り、地域みんなでやっているけど、何か支援はないの?」——農地まわりの共同作業に追われていると、そう感じることはありませんか。そんな地域の共同活動を支えるのが多面的機能支払交付金です。

ただ多面的機能支払交付金には、「農地維持支払」「資源向上支払」と区分が分かれ、単価や要件が複雑で、結局いくらもらえるのか分かりにくいのも事実。私は千葉で米農家を営みながら農業の補助金・税務情報を発信しており、今回も農林水産省の資料を一次情報まで確認して整理しました。

この記事では、令和7年度の単価をふまえ、制度の仕組み・対象・単価・申請の流れ・お金の管理(経理)の注意点までをまとめます。読み終えれば「自分の地域でいくらもらえそうか」「何から始めるか」が見えてきます。

📌 この記事でわかること
・多面的機能支払交付金の全体像(2つの支払の違い)
・10aあたりの交付単価(地目別の早見表)
・対象になる組織と申請の流れ
・加算でさらに増える仕組み
・交付金の経理・帳簿づけの注意点

👉 読み進める前に:交付金を含めた経理をラクにする「マネーフォワード クラウド会計」を見る

この記事を書いた人
たち しょうえい

太智昭栄

Shoei Tachi

  • 農業経営者(2022年〜千葉県北東部でお米を生産)
  • 日商簿記2級・3級FP技能士取得
  • 全国の農家の役に立つ補助金・融資情報を発信

交付金を受けると、出納簿の作成や経費の整理など、事務の負担が増えます。日々の記帳をラクにしておくと、活動組織の会計も自分の農業経営の経理もぐっと楽になります。会計ソフトの選び方は次の記事で解説しています。

👉 農家向け会計ソフト3選を徹底比較(記帳をラクに)を見る

目次

多面的機能支払交付金とは|地域の共同活動を支援

結論からいうと、農業者などの組織が取り組む、水路の泥上げ・農道の維持・農地の保全といった地域の共同活動を、面積に応じて支援する国の制度です。担い手の減少で「地域の農地を地域で守る」ことが難しくなるなか、その共同活動を後押しします。平成26年度に始まり、平成27年度に法制化された日本型直接支払の一つです。

支払いは、「農地維持支払」と「資源向上支払」の2つで構成されています。

2つの支払の違いとは|農地維持と資源向上

  • 農地維持支払水路・農道の草刈りや泥上げなど、農地を維持する基礎的な共同活動。農業者だけの組織でも取り組めます。
  • 資源向上支払(共同)施設の軽微な補修、景観形成、生態系保全など、地域資源の質を高める活動。農地維持支払とセットが基本です。
  • 資源向上支払(長寿命化)水路・農道など施設の補修・更新といった、施設を長持ちさせる活動。

多面的機能支払交付金単価はいくら?地目別の早見表

交付単価の上限(都府県・10アールあたり・令和8年度)は次のとおりです。組み合わせる活動が増えるほど単価も上がります。

活動の区分草地
①農地維持支払3,000円2,000円250円
②資源向上支払(共同)2,400円1,440円240円
③資源向上支払(長寿命化)4,400円2,000円400円
①+②5,400円3,440円490円
①+②+③(すべて)9,200円5,080円830円

※北海道は別単価です。たとえば田1ヘクタールで①+②なら年5万4,000円が目安になります。

注意点として、資源向上支払(共同)を5年以上継続した地区は単価が0.75倍になります。また上限額のため、申請が多いと減額調整される場合があります。

あわせて読みたい|農家が使える補助金20選

多面的機能支払交付金のほかにも、農家が使える補助金は数多くあります。「自分の規模・作目だと、ほかに何が使えるの?」と気になった方は、目的別の一覧で全体像をつかんでおくと選びやすくなります。

👉 農家が使える20大補助金を徹底比較【一覧表付】を見る

対象になる組織と申請のしかた

この交付金は個人ではなく、複数の農業者(必要に応じて地域住民等も)で構成する活動組織で取り組むのが基本です。組織として代表者・規約・専用口座を整え、市町村の認定を受けて活動します。中山間地域等直接支払の集落協定と似ていますが、別制度なので混同しないようにしましょう。

活動は5年間継続が基本です。

申請の流れ|5つのステップ

STEP
市町村に相談

対象農地・活動内容・単価のイメージを確認する。

STEP
活動組織を設立

代表者・規約・口座を整え、組織をつくる。

STEP
事業計画を認定

活動計画・事業計画を作成し、市町村の認定を受ける。

STEP
共同活動を実施(5年)

水路・農道の維持などの活動を継続して行う。

STEP
実績報告・交付

活動記録をまとめて報告し、交付金を受け取る。

⚠️ 注意
活動記録・日報・金銭出納簿の整備が必須です。書類の不備や対象面積の誤りがあると、交付金の返還を求められることがあります。事務作業の体制も最初に決めておきましょう。

【見落とし注意】交付金のお金の管理|経理と税務

交付金は活動組織の口座で受け取り、金銭出納簿で使い道を管理する必要があります。何にいくら使ったかの記録が求められるため、こまめな帳簿づけが欠かせません。

また、個人へ配分された分は所得として扱い、確定申告が必要になる場合があります。組織でも個人でも、記帳を整えておくことが、あとあとの安心につながります。

よくある4つの質問(Q&A)

個人でも申請できますか?

基本は複数の農業者で構成する活動組織での取組です。組織として規約・口座を整えて取り組むのが前提になります。

中山間地域等直接支払と両方もらえますか?

制度が別なので、要件を満たせば併用できる場合があります。対象や条件は市町村で確認してください。

交付金に税金はかかりますか?

共同活動に使う分は使途を出納簿で管理します。個人へ配分された分は所得として申告が必要になる場合があります。市町村・税理士に確認しましょう。

事務作業が大変そうです…

活動記録や金銭出納簿の作成は必要です。会計ソフトの活用や、行政書士などへの事務委託(外注費を交付金から支出)も選択肢になります。

交付金の帳簿づけ・経理をラクにするなら

パソコンと電卓

活動組織の出納簿づけや、自分の農業経営の経理が増えると、手作業ではミスが起きやすくなります。クラウド会計ソフトを使えば、入出金の記帳から集計までを自動化でき、出納簿づくりや決算の負担を大きく減らせます。私も日々の記帳はクラウド会計に任せ、農作業の時間を確保しています。組織の経理も個人の経理も、早めに仕組みを整えておくと安心です。

👉 経理・帳簿づけをラクにする「マネーフォワード クラウド会計」を見る

まとめ:地域の共同活動を支える心強い制度

多面的機能支払交付金は、水路の泥上げや農道の草刈りといった地域の共同活動を、農地の面積に応じて支える国の制度です。担い手が減るなかでも「地域の農地を地域で守る」取り組みを、無理なく続けられるよう後押ししてくれます。

🌾 押さえるべき3つのポイント
①2つの支払(農地維持/資源向上)の組み合わせで単価が決まる
②個人ではなく活動組織で取り組み、5年間継続するのが基本
③出納簿での管理が必須。個人配分は申告が必要な場合も

ポイントは大きく3つ。1つ目は、農地維持支払と資源向上支払という2つの支払を組み合わせることで交付単価が決まること。2つ目は、個人ではなく活動組織として取り組み、5年間継続するのが基本だということ。3つ目は、交付金は専用口座で受け取り、金銭出納簿での管理が必須で、個人へ配分された分は確定申告が必要になる場合があることです。事務面の体制づくりも忘れず、必要に応じて会計ソフトでの管理を始めてください。

まずはお住まいの市町村への相談から、第一歩を踏み出してみましょう。

▼出典(一次情報)
農林水産省「多面的機能支払交付金」関係資料(交付単価は令和7年度・都府県)
農林水産省「多面的機能支払交付金のあらまし」(単価・加算の参考)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

農業|ライター|千葉県山武郡横芝光町でコシヒカリを始めとしたおいしいお米を生産|Word、ドキュメント、WordPressでの記事の執筆|日商簿記2級|FP3級|食品衛生責任者|英検2級

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次