【2026年保存版】農業の雇用助成金5選|目的別の選び方を解説

夕日の中で働く者たち

「現場の人手が足りない」
「でも人を雇うとなると、給料の負担が重くてなかなか踏み切れない」

実は、農業で人を雇うときには、国の助成金で負担を軽くできる場合があります。新しく就農者を育てる、非正規を正社員にする、研修で技術を高める。目的ごとにさまざまな制度が用意されています。この記事では、現役の米農家として、農業で使える雇用助成金を目的別に整理します。

この記事でわかること
  • 農家が使える5つの雇用助成金
  • 新しく人を育てるときの助成金
  • 待遇改善で使える助成金
  • 申請のポイントと注意点

いまは、パソコン1つで経理や会計業務ができる時代。マネーフォワードクラウドなら、あらゆる場所で農業の収支データを自動化できます。農家だからといって、常に田畑にいる必要はありません。気分転換にカフェや旅行先で経営状況を見える化してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
たち しょうえい

太智昭栄

Shoei Tachi

  • 農業経営者(2022年〜千葉県北東部でお米を生産)
  • 日商簿記2級・3級FP技能士取得
  • 全国の農家の役に立つ補助金・融資情報を発信

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目次

【目的別】農家が使える5つの雇用助成金

「雇用助成金」とひとくちに言っても、その中身はさまざまです。大切なのは、自分が何のために人を雇うのかから逆算して探すことです。主な目的は、次のように分けられます。

目的主な助成金の例
新しく就農者を育てたい雇用就農資金
非正規を正社員にしたいキャリアアップ助成金
就職が難しい人を雇いたい特定求職者雇用開発助成金
お試しで雇ってみたいトライアル雇用助成金
従業員の技術を高めたい人材開発支援助成金

農林水産省が所管する制度と、厚生労働省が所管する制度の両方があります。農業専用のものだけでなく、一般の企業向け助成金も農業法人・農家が使える点を知っておくと、選択肢が広がります。

新しく就農者を育てるなら「雇用就農資金」

農場の作業と夕日の光

農業ならではの代表的な制度が、雇用就農資金(旧・農の雇用事業)です。これは、農業法人などが新たに就農希望者を雇い、実務を通じて技術や経営ノウハウを教える(OJT)際の費用を助成するものです。

農水省の資料では、助成額は年間最大60万円、支援期間は最長4年間。新規就農者を一から育てたい法人にとって、人件費の負担を抑えながら人材を確保できる、心強い制度です。しかし、雇われる側には、49歳以下(50歳未満)の就農希望者が対象などの要件があります。

指導する側の負担はかかりますが、地域の次の担い手を育てることは、自分の経営の応援団を増やすことにもつながります。制度の詳しい要件は雇用就農資金の要件を徹底解説で解説していますので、良かったら読んでみてください。

待遇を良くするなら「キャリアアップ助成金」

すでに雇っているパートやアルバイトを正社員にする、あるいは賃金を上げるといった待遇改善を行うときに使えるのが、キャリアアップ助成金です。

非正規で働いてもらっていた人を正社員に転換すると、一定額の助成が受けられます。農繁期だけの短期雇用から、年間を通じて働いてもらう体制に切り替えたいときなどに役立ちます。長く働いてもらえる人材を確保することは、経営の安定にも直結します。

農業は、田植えや稲刈りといった農繁期に人手が集中して必要になる仕事です。その時期だけの応援から始め、戦力になってくれた人を正社員として迎える——

TACHIFARM代表

人を「採って終わり」ではなく「育てて定着させる」視点で制度を選ぶと、経営に効いてきます。

そのほかの3つの雇用助成金

目的に応じて、次のような制度も検討できます。

助成金の名前こんなときに使える
特定求職者雇用開発助成金高齢者や障害のある方など、就職が難しい立場の人を、ハローワーク等の紹介で雇い入れたときに助成されます。
トライアル雇用助成金一定期間「お試し」で雇い、適性を見極めてから本採用につなげる制度です。
人材開発支援助成金従業員に研修・訓練を受けさせる際の費用や、賃金の一部を助成します。

いずれも、自分の経営の状況に合うものを選ぶことが大切です。使えそうなものはないか、という視点でハローワークや労働局に相談してみましょう。農家にも一般企業と同じように使える制度が多く、窓口で遠慮する必要はありません。

申請のときの2つのポイントと注意点

雇用助成金を活用するうえで、押さえておきたい注意点があります。

押さえるポイント具体的な内容
① 多くは「雇う前」からの計画・手続きが必要雇ってしまった後では間に合わない制度もあります。人を雇うと決めたら、早めに確認しましょう。
② 労働保険への加入・適正な労務管理が前提雇用契約書の整備、賃金台帳の作成、社会保険・労働保険の手続きなど、受け入れ体制を整える必要があります。

法人化して人を雇う場合の社会保険や労務の整え方は、農業法人の経理|設立直後に整える7つの基本も参考になります。

助成金を使うときの3つの落とし穴

助成金は魅力的ですが、つまずきやすい点もあります。次の3つに注意してください。

つまずきやすい落とし穴なぜ注意が必要か
① 「助成金ありき」で雇ってしまう助成金は人件費の一部を補うものにすぎず、給料の全額をまかなえるわけではありません。助成が終わった後も払い続けられるかを見据えて採用しましょう。
② 書類・手続きの負担を甘く見る多くの助成金は、計画書の提出、定期的な報告、勤務実態の記録などを求めます。手続きを怠ると、受給できなかったり、後から返還を求められたりすることもあります。
③ 労務管理が整っていない残業代の未払いや、社会保険の未加入があると、そもそも助成金の対象外になります。人を雇う以上、適正な労働環境を整えることが大前提です。

雇用助成金のよくある3つの質問

個人事業の農家でも雇用助成金は使えますか?

使える制度が多くあります。法人だけでなく、従業員を雇う個人事業の農家も対象になる助成金は少なくありません。ただし制度ごとに要件が異なるため、個別に確認が必要です。

家族を雇った場合も助成の対象になりますか?

原則として、生計を一にする家族は対象外となる制度が多いです。家族への給与は、専従者給与など別の仕組みで扱うのが一般的です。

どこに相談すればいいですか?

農業専用の制度は都道府県の就農支援窓口やJA、一般の雇用助成金はハローワーク・労働局が窓口です。まずは近くの窓口に「人を雇いたい」と相談すると、使える制度を案内してもらえます。社会保険労務士に相談すれば、申請手続きの代行や、複雑な要件の確認も任せられます。

助成金を受けたら会計ソフトで経理をととのえる

一面の田畑と夕焼け

助成金は、申請して終わりではなく、受給後も雇用を継続し、適切に管理していることが条件になります。給与計算、社会保険料の天引き、源泉徴収、勤怠の記録——

人を雇うと、こうした事務が一気に増え、手作業でこなすのは大きな負担です。

マネーフォワードクラウド給与計算と労務・経理を自動化すると、農作業に集中する時間を確保できます。経理担当を雇わなくても、バックオフィスを一元管理できる効果は今後の農業経営にとても役立ちます。

労務管理がきちんとできていることは、助成金を受け続けるための条件でもあります。つまり、経理・労務を効率化することは、助成金を取りこぼさないための土台づくりでもあるのです。家族への給与と従業員への給与の違いは、農家の専従者給与について徹底解説を読んでみてください。

法人化のメリットはプロに無料相談してみよう

人を雇う段階は、法人化を考える節目でもあります。法人化が自分にとって得かは、売上・所得・家族構成で変わります。経営サポートプラスアルファの60分無料相談で「自分の場合」の法人化メリットを試算すると、社会保険まで含めた損得を数字で確認できます。

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まとめ:雇用助成金は目的を明確にし、早めに相談を

農業で人を雇うときの助成金で押さえるべきは、次の3点です。

  1. 助成金は目的別に探す(育成・正社員化・お試し雇用など)
  2. 農業専用の雇用就農資金に加え、一般の助成金も農家が使える
  3. 多くは雇う前からの手続きが必要。早めにハローワーク・労働局へ相談する

制度を味方につければ、人を雇うハードルはぐっと下がり、経営を次の段階へ進めやすくなります。

人を雇うことは大きな決断ですが、助成金をうまく使えば、負担を抑えながら経営を広げられます。一人で抱え込んでいた作業を任せられるようになると、経営者は本来やるべき「経営判断」に時間を使えるようになります。人を雇うことは、コストであると同時に、経営を次の段階へ進める投資でもあるのです。

TACHIFARM代表

「人を雇いたい」と相談に出てみることが、スタートになります。

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この記事を書いた人

農業|ライター|千葉県山武郡横芝光町でコシヒカリを始めとしたおいしいお米を生産|Word、ドキュメント、WordPressでの記事の執筆|日商簿記2級|FP3級|食品衛生責任者|英検2級

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