交付金や補助金を受け取ったとき、「どの勘定科目で、いつ仕訳すればいいの?」と迷う農家は少なくありません。処理を間違えると、所得や税額に影響することもあります。
勘定科目は「雑収入」、計上時期は「交付決定の日」、固定資産の補助金は圧縮記帳(法人)・総収入金額不算入(個人)で課税を繰り延べできる——この基本を押さえれば、補助金の経理はぐっとラクになります。補助金は原則“課税対象”。「もらったお金だから非課税」ではない点も、最初に知っておきたいところです。
この記事では、農業法人代表の視点で、補助金の勘定科目と帳簿のつけ方を仕訳例つきで解説します。
| 📌 この記事でわかること ・補助金は課税対象(雑収入)という基本 ・勘定科目と仕訳例(入金時・決算をまたぐ場合) ・計上時期は「交付決定の日」/消費税は不課税 ・固定資産の補助金は圧縮記帳(法人)・総収入金額不算入(個人)で課税繰延 |
補助金の仕訳や雑収入の記帳は、マネーフォワードクラウド会計で管理できます

太智昭栄
Shoei Tachi
- 農業経営者(2022年〜千葉県北東部でお米を生産)
- 日商簿記2級・3級FP技能士取得
- 全国の農家の役に立つ補助金・融資情報を発信
農家が活用できる補助金20選を目的別に徹底比較する【一覧表付】
補助金は「課税対象」|まず基本を押さえる

中山間地域等直接支払交付金などの交付金や各種補助金は、事業に関連するものは事業所得の収入(雑収入)として課税対象になります。「補助金だから税金はかからない」というのは誤解です。
売上(農産物の販売)とは区別し、本業の売上以外の収入なので「雑収入」として計上するのが基本です。
勘定科目と仕訳例

補助金が入金されたときの基本的な仕訳は次のとおりです(事業用口座に入金された場合)。
| 💡 入金時の仕訳例 (借方)普通預金 100万円 / (貸方)雑収入 100万円補助金100万円が普通預金に入金された場合の例。 |
決算をまたぐ場合(交付決定は今年・入金は翌年など)は、交付決定の時点では「未収入金」として計上し、入金時に消し込みます。
| 💡 決算をまたぐ場合の仕訳例 ①交付決定時:(借)未収入金 100万円 / (貸)雑収入 100万円 ②入金時:(借)普通預金 100万円 / (貸)未収入金 100万円 |
計上時期と消費税の扱い
- 計上時期:実際の入金日ではなく、「交付決定通知が届いた日(権利が確定した日)」に収益計上するのが原則です。
- 消費税:補助金は対価性がないため、消費税は不課税です(売上のように消費税はかかりません)。
| ⚠️ 年をまたぐ交付金に注意 「入金は翌年だから来年の収入」と思いがちですが、交付決定が当年なら当年の収入に計上するのが原則です。計上もれや時期のズレは、所得計算の誤りにつながるので注意しましょう。 |
固定資産の補助金は“課税の繰延”ができる
機械やハウスなど固定資産の取得に充てた補助金は、受け取った年に全額課税されると負担が重くなります。そこで、課税を繰り延べる仕組みがあります。
- 個人事業主:「国庫補助金等の総収入金額不算入」の特例(所得税法42条・43条)で、補助金分を収入に算入せず、取得資産の取得価額を減額します。確定申告書に「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」の添付が必要です。
- 法人:「圧縮記帳」(法人税法42条)で同様に課税を繰り延べます。個人事業主は圧縮記帳を使えず、上記の総収入金額不算入で対応します。
よくある2つの質問(Q&A)
補助金の仕訳・未収計上は、クラウド会計でミスなく

補助金は雑収入での計上、決算をまたぐ未収入金の処理、消費税の不課税区分など、間違えやすいポイントが多い項目です。クラウド会計ソフトなら、勘定科目の選択から未収入金の管理、消費税区分まで対応。交付決定や入金のタイミングに合わせて正しく記帳でき、確定申告までスムーズです。
TACHIFARM代表補助金を使う農家ほど、記帳の仕組み化が効きます。
まとめ
事業に関連する補助金・交付金は課税対象で、勘定科目は「雑収入」。売上とは区別して計上します。消費税は不課税です。・計上時期は「交付決定の日」が原則。決算をまたぐ場合は未収入金で計上し、入金時に消し込みます。
機械・ハウスなど固定資産の補助金は、総収入金額不算入(個人)・圧縮記帳(法人)で課税を繰り延べできます。仕訳や時期の管理はクラウド会計ソフトでミスなく行いましょう。
出典・参考
・国税庁 タックスアンサー No.2202「国庫補助金等を受け取ったとき」(所得税:総収入金額不算入の特例。根拠:所得税法42条・43条)
・国税庁 法人税基本通達 第10章第2節「国庫補助金等で取得した資産の圧縮記帳」(法人税:圧縮記帳。根拠:法人税法42条)
・国税庁 No.2080「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」(記帳・帳簿保存の義務)
・国税庁「法人が交付を受ける助成金等の収益計上時期の取扱い」(計上時期)
・マネーフォワード クラウド「補助金・助成金の勘定科目・仕訳」(2026年6月閲覧)
※本記事は一般的な情報提供であり、特定の金融商品・制度への加入を推奨するものではありません。税制・各制度の要件は改正される場合があります。最新の内容は各公式サイトでご確認のうえ、ご自身の状況に応じて税理士等の専門家にご相談ください。










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