【補助率100%!?】「水田活用の直接支払交付金」の要件と5つの申請手順

転作を始めたいけど、どんな補助金がもらえるのか正直よくわからない…

そんな声をよく耳にします。補助金の要件は専門用語が多く、自分の田んぼが対象になるのか判断するのは本当に骨が折れる作業ですよね。

この記事ではTACHIFARM代表で農業歴4年の私が水田活用の直接支払交付金の対象者や補助率、申請に必要な5つの手順までわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 水田活用の直接支払交付金で実際にいくらもらえるか(作物別単価)
  • 交付対象になるための具体的な要件
  • 申請から受け取りまでの流れとスケジュール
  • 令和7年産から変わった「5年ルール」の注意点
  • 令和8年度(2026年度)の制度は年度途中で変更・更新される場合があります。申請前に必ず最新情報を農林水産省または最寄りの市町村窓口でご確認ください。
目次

補助率は100%!水田活用の直接支払交付金の補助額について

水田活用の直接支払交付金は、転作に取り組む農業者へ国が直接交付する補助金です。補助率は100%(自己負担ゼロ)で、作物ごとに定められた単価が10aあたりで支払われます。

作物別交付単価一覧表(10aあたり)

作物区分交付単価(10aあたり)
飼料用米(一般品種)70,000円(数量払い:55,000〜85,000円)
飼料用米(多収品種)・米粉用米80,000円(数量払い:55,000〜105,000円)
WCS用稲(ホールクロップサイレージ)80,000円
麦(飼料用麦を含む)・大豆・飼料作物等(戦略作物)35,000円
加工用米20,000円
地域振興作物(野菜等)水田収益力強化ビジョンに基づく加算措置あり

1haの水田をすべて飼料用米(一般品種)に転換した場合、令和7年度の標準単価では基本交付金だけで700,000円が確保できます。10aで最大80,000円というのは、主食用米の収入が落ち込んでいる農家にとってかなり大きな支えになります。

  • 上表は令和7年度(2025年度)の単価です。 飼料用米の数量払い単価は収量に応じて変動します。年度ごとに見直されるため、申請前に必ず農林水産省または地域農業再生協議会の最新資料をご確認ください。

数量払い加算(飼料用米)の仕組み

飼料用米には、生産量に応じた「数量払い」という制度があります。地域農業再生協議会が設定する地域の標準単収に対して、収量が上回るほど単価が加算される仕組みです。

  • 令和7年度の一般品種の標準単価は70,000円/10a(最低55,000円〜最高85,000円)
  • 多収品種の標準単価は80,000円/10a(最低55,000円〜最高105,000円)
  • 収量が標準単収を大きく上回るほど加算幅が広がる

💬「飼料用米は品種選びと施肥管理で収量が大きく変わります。多収性品種(タカナリ・べこごのみ等)を選ぶと、数量払いの恩恵をフルに受けやすいです。」

  • 標準単収は地域ごとに設定されます。 具体的な閾値・加算額は地域農業再生協議会にご確認ください。

地域振興作物加算とは

地域振興作物(野菜・そば・なたね・加工用野菜など)については、各地域の「水田収益力強化ビジョン」に位置づけられた作物を生産することで加算措置を受けられます。産地交付金との組み合わせで実質的な交付額が大幅に増えるケースもあります。

水田活用の直接支払交付金の対象者とは

対象となる水田の要件(5年ルールに注意)

基本要件

  • 水田として利用されており、かつ転作作物を生産している農地
  • 農業委員会に農地として登録されていること

令和7年産から適用「5年ルール」の現状

令和7年産(2025年産)以降、過去5年間に一度も水稲の作付け・水張りが確認できない農地は、原則として交付対象から除外される取り扱いになっています。ただし、令和7年産・8年産については緩和措置があります。

  • 水稲の作付けが可能な水田において、連作障害を回避する取組(土壌改良資材・有機物の施用、土壌薬剤の散布、後作緑肥の作付け、病害虫抵抗性品種の作付けなど)を行った場合は、水張りなしでも交付対象となります。

令和9年度以降の見通し: 農林水産省は令和9年度から水田政策を根本的に見直す方針を示しており、令和9年度以降はこの「5年水張り要件」を求めない方向です。ただし制度の詳細は変更される場合があります。申請前に最新情報をご確認ください。

除外となる可能性がある例

  • 令和2〜6年産(2020〜2024年)の5年間、一度も水稲を作付けしていない農地
  • 水はけが悪く実質的に水田として使えない状態が5年超続いている農地(緩和措置も活用困難な場合)

このルールの影響を受ける可能性がある圃場は、事前に農業委員会または地域農業再生協議会に確認しておくことを強くおすすめします。

対象転作作物の種類

戦略作物(主な対象)

  • 麦(小麦・大麦・裸麦・飼料用麦)
  • 大豆
  • 飼料用米(主食用以外の用途米)
  • 米粉用米
  • WCS用稲
  • 飼料作物(牧草・デントコーン・ソルゴー等)

地域振興作物(産地交付金対象)

  • 野菜(レタス・キャベツ・タマネギ等)
  • そば・なたね
  • 加工用野菜・花き等

💬「大豆は10aあたり35,000円の交付に加えて、豆腐・納豆メーカーとの契約栽培による加算も狙えます。規模拡大農家に人気があります。」

地域農業再生協議会とは

地域農業再生協議会は、市町村・農業委員会・JA・農家が連携して設立する地域組織で、水田活用の直接支払交付金の窓口となる機関です。農家は個人で農林水産省に申請するのではなく、地域農業再生協議会に営農計画書を提出することで交付申請が完結します。

NG条件・除外農地

除外条件詳細
令和7年産以降の5年水張り未実施農地(原則)令和7年産から適用。令和7・8年産は連作障害回避取組による緩和措置あり。令和9年度以降は廃止予定
主食用米の生産転作作物でないため対象外
農地台帳に未登録の農地農業委員会登録が必須
生産計画を提出していない場合営農計画書の事前提出が必要

💬「採択前に発注・契約・着工してしまうと補助対象外になります。必ず採択後に動き出しましょう。」

水田活用の直接支払交付金の自己負担割合とは

水田活用の直接支払交付金の自己負担割合はゼロ(0円)です。国が全額を負担する「直接支払制度」です。

ただし、以下の点は農家側の負担となります。

  • 営農計画書・実績報告書の作成・提出(手続きコスト)
  • 転作作物の生産に必要な農業資材・機械(転換コスト)

💬「補助金がゼロ負担といっても、最初の転換コストはかかります。たとえば飼料用米への転換では、乾燥調製を飼料用として対応できる施設が必要なことも。JA施設の利用状況を事前に確認しておくと安心です。」

誰でもできる!水田活用の直接支払交付金の申し込み手順5ステップ

STEP 1|地域農業再生協議会への加入確認(12〜1月)

自分が所属する地域農業再生協議会を確認します。市町村農政課またはJAに問い合わせると、担当の協議会を教えてもらえます。

STEP 2|営農計画書の作成・提出(2〜3月)

翌年の転作計画を「営農計画書」として作成し、地域農業再生協議会に提出します。

  • 転作する圃場の地番・面積
  • 作付け予定の転作作物
  • 出荷・利用先(飼料会社・JA等)

提出期限:生産年の6月30日まで(早めの提出が推奨)

STEP 3|転作作物の生産(4〜10月)

計画書に記載した転作作物を実際に生産します。以下の記録を残しておくと実績報告がスムーズです。

  • 播種日・収穫日の記録
  • 出荷伝票・納品書のコピー
  • 使用農薬・肥料の記録

STEP 4|実績報告書の提出(10〜11月)

収穫・出荷が完了したら、地域農業再生協議会に「実績報告書」を提出します。

STEP 5|交付金の受け取り(12月〜翌年3月)

実績確認後、審査を経て交付金が農家の口座に振り込まれます。

年間スケジュール作業内容
12〜1月協議会加入確認・作付け計画の検討
2〜3月営農計画書の提出
4〜6月転作作物の播種・定植(6月30日が申請期限)
7〜10月栽培管理・収穫
10〜11月実績報告書の提出
12〜翌3月交付金の振り込み

まとめ

項目内容
正式名称水田活用の直接支払交付金
対象者転作作物を生産する水田農業者
自己負担なし(全額交付金)
最高単価WCS用稲・飼料用米多収品種・米粉用米:80,000円/10a(標準)※数量払いで変動
飼料用米単価(一般品種)標準70,000円/10a(数量払い:55,000〜85,000円)
戦略作物単価麦(飼料用麦含む)・大豆・飼料作物:35,000円/10a
加工用米単価20,000円/10a
申請窓口地域農業再生協議会
申請期限生産年6月30日まで
重要注意点令和7年産以降、5年水張り未実施農地は原則除外(緩和措置・令和9年度廃止予定あり)

5年ルールの影響を受ける可能性がある農地をお持ちの方は、特に早めに農業委員会または地域農業再生協議会への確認をお勧めします。

TACHIFARM代表

まずは地域農業再生協議会に相談することから始めてみてください。

申請書類・要項へのダイレクトリンク

申請に必要な書類・要項は下記リンクから直接入手できます。申請書類は年度ごとに更新されるため、必ず最新版をご使用ください。

書類・情報の種類入手先
農林水産省|水田活用の直接支払交付金(要綱等)農林水産省公式ページ
農林水産省|令和7年産以降の水田活用の直接支払交付金農林水産省公式ページ
農林水産省|経営所得安定対策(全般)農林水産省公式ページ
eMAFF(農林水産省電子申請)農林水産省公式ページ

申請窓口: 市町村農政担当窓口(地域農業再生協議会経由)

⚠️ 申請書類は市町村農政担当窓口で入手できます。営農計画書・水稲・転作作物の作付計画の提出が必要です。

関連リンク・参考資料

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この記事を書いた人

農業|ライター|千葉県山武郡横芝光町でコシヒカリを始めとしたおいしいお米を生産|Word、ドキュメント、WordPressでの記事の執筆|日商簿記2級|FP3級|食品衛生責任者|英検2級

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