電気柵が実質0円!?鳥獣被害防止総合対策交付金の6つの申請手順

イノシシにまた畑を荒らされた…

柵を付けたいけど、お金がかかりすぎる

そんな悩みを抱えている農家さん、安心してください。国の補助金でほぼ全額まかなえる制度があります。

この記事ではTACHIFARM代表で農業歴4年の私が鳥獣被害防止総合対策交付金の要件についてわかりやすく解説します。

TACHIFARM代表

日本の田んぼを畑を、一緒に守っていきましょう!

この記事でわかること
  • 鳥獣被害防止総合対策交付金の補助率と上限額
  • 電気柵・金属柵・わなへの具体的な補助の仕組み
  • 対象者の要件と農業者が補助を受けるステップ
  • 自己負担はいくらになるのか
  • 申請窓口と必要な手続きの流れ

⚠️ 注意事項: 本記事の情報は2026年4月時点の公開情報をもとにしています。補助率・要件・申請期限は年度・都道府県・市町村によって異なる場合があります。必ず地元の市町村農政課または農業委員会に最新情報をご確認ください。

目次

鳥獣被害防止総合対策交付金の補助額の上限・補助率

https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/yosan/attach/pdf/yosan-216.pdf

え、農家の自腹がほぼゼロ?それって本当なの?

TACHIFARM代表

本当ですが「市町村を通じた申請」という仕組みが前提になります。

鳥獣被害(ちょうじゅうひがい)防止総合対策交付金は、農林水産省が所管する国の補助制度です。農作物への鳥獣被害を減らすために、柵の設置から捕獲活動まで幅広い取り組みを支援します。

補助の仕組みを大きく分けると「ソフト対策」と「ハード対策」の2種類があります。

防護柵(ハード対策)と捕獲・普及活動(ソフト対策)の補助の違い

ソフト対策は国が定額補助(国が定める基準単価ベース)で支援します。捕獲活動は捕獲頭数×単価、機材導入は設置基数×上限単価など、活動の種類ごとに支払い単価が定められています。

また、ハード対策(防護柵の設置等)は国費が大半を占め、農業者個人の負担は原則ゼロか、あっても非常に小さくなるよう設計されています。

対策区分主な内容国の補助率都道府県市町村農業者負担
ソフト対策パトロール・研修・捕獲技術指導・被害状況調査・わな等捕獲機材の導入など定額(国が定める基準単価)原則なし
ハード対策電気柵・金属柵(ワイヤーメッシュ等)・処理加工施設など1/2以内(委託施工の場合)原則なし〜一部あり
  • ハード対策の残り費用(国費補助の対象外分)は都道府県・市町村が予算措置で負担する場合が多く、農業者の実質負担は原則ゼロ〜一部となりますが、負担割合は各自治体の裁量によります。市町村が直営施工する場合は国が定額補助を行います。

電気柵・金属柵の具体的な補助例と価格感

【例①】電気柵(イノシシ対策・100m設置の場合)

  • 電気柵一式の市場価格:約15万〜25万円(資材・設置費込み)
  • 国補助(1/2):約7.5万〜12.5万円
  • 都道府県(1/4):約3.75万〜6.25万円
  • 市町村(1/4):約3.75万〜6.25万円
  • 農業者実質負担:0円〜数万円程度

【例②】金属柵(シカ対策・ワイヤーメッシュ柵200m設置の場合)

  • 資材費の目安:約30万〜50万円
  • 国補助(1/2):約15万〜25万円
  • 都道府県・市町村で残りを折半
  • 農業者実質負担:0円〜一部自己負担の場合あり

【例③】箱わな(イノシシ・シカ捕獲用)

  • わな等捕獲機材の導入はソフト対策(捕獲機材等導入)として補助率1/2以内・上限単価が設定されています(農林水産省が定める補助上限単価の目安:箱わな小型約1.9万円/基・中型約8.8万円/基・大型約11.9万円/基・くくりわな約1.6万円/基)
  • 捕獲活動に係る経費(えさ代・見回り費用等)は定額補助(捕獲頭数×国が定める単価)で支援されますが、実費の全額が保証されるものではありません
  • わなはハード対策(防護柵等の設置)ではなくソフト対策に分類される点にご注意ください

鳥獣被害防止総合対策交付金の対象者とは

自分は対象になるの?条件が難しそうで不安…

TACHIFARM代表

制度の仕組みを理解すれば、条件はそれほど難しくありません。

鳥獣被害防止計画とは

「鳥獣被害防止計画」とは、「この地域ではどんな動物による被害がどのくらい出ていて、今後どんな対策をするか」を市町村がまとめた計画書です。

鳥獣被害防止総合対策交付金を利用するための大前提として、「鳥獣被害防止特措法に基づく被害防止計画を策定した市町村」が窓口になる必要があります。

計画には以下のような内容が盛り込まれます。

  • 対象鳥獣の種類(イノシシ・シカ・クマ・サル・カラス等)
  • 被害の現状と目標とする被害防止効果
  • 捕獲の目標頭数・設置する柵の延長
  • 関係機関との連携体制

この計画を策定している市町村に住んでいる農業者であれば、市町村を通じて補助を受けられます。「うちの市町村は計画を作っているの?」という確認は、市役所・町役場の農政課に問い合わせるだけでわかります。

農業者が補助を受けるための手順

鳥獣被害防止総合対策交付金は、農業者が直接国に申請するわけではありません。「農業者 → 市町村 → 都道府県 → 国」という流れで申請が行われます。

農業者としてやるべき主な手順は以下のとおりです。

  1. 被害状況を記録する 写真・日時・被害面積・品目・推定被害額を記録しておく
  2. 市町村の農政課・農業委員会に相談する どんな対策を検討しているか伝える
  3. 申請書類を準備する 市町村が指定する様式に沿って記載する
  4. 市町村が取りまとめて都道府県・国に申請する ここは市町村が主体となって動く
  5. 交付決定後、資材購入・工事を実施する 交付決定前に購入・着工すると補助対象外になるため要注意
  6. 実績報告・完了検査を受ける 設置後に写真・領収書等を提出する

💬「申請前に柵を買ってしまって補助が受けられなかった、という失敗談をよく聞きます。必ず交付決定を待ってから動くことが鉄則です」

NG条件

以下に該当する場合は補助の対象外になる可能性があります。

  • 鳥獣被害防止計画を策定していない市町村に住んでいる場合
  • 交付決定前に資材購入・工事に着手してしまった場合
  • 補助対象外の鳥獣(家畜・ペット等)への対策
  • 農業目的ではない施設・土地への設置
  • すでに他の補助金と重複して同一事業に充当している場合

鳥獣被害防止総合対策交付金の自己負担割合とは

結局、自分はいくら払えばいいの?

結論から言うと、ソフト対策は自己負担ゼロが基本、ハード対策は原則ゼロ〜一部ありです。防護柵(ハード対策)の費用負担のイメージは次のとおりです(委託施工・標準的なケース)。

負担者負担割合(委託施工の標準例)
1/2以内
都道府県・市町村残り分を予算措置(割合は自治体による)
農業者0(原則)

※ 市町村が直営施工する場合は国が定額補助を行います。負担割合の詳細は申込市町村の農政課でご確認ください。

ただし、以下のケースでは農業者に一部自己負担が生じることがあります。

  • 補助対象外の資材(グレードの高い製品や規格外品)を選んだ場合
  • 市町村の予算の都合で補助額に上限が設けられている場合
  • 独自の地域負担ルールがある市町村の場合

💬「補助金を使っても、電気柵の電池代や年間メンテナンス費用は自己負担になります。ランニングコストも含めて検討しましょう」

電気柵の場合、電池(乾電池・充電式)の交換費用や草刈り・点検にかかる労働力は補助対象外です。


誰でもできる!鳥獣被害防止総合対策交付金の申し込み手順6ステップ

申請の手順が多くて難しそう…

TACHIFARM代表

実は、農業者がやることは意外とシンプルです。

ステップ1|被害状況を記録・整理する

被害を受けた日時・場所・被害作物・推定損失額を写真とともに記録します。スマートフォンのカメラで十分です。

ステップ2|市町村の農政課に相談する

「鳥獣被害防止総合対策交付金を使いたい」と窓口に伝えるだけでOKです。担当者が制度の適用可否・必要書類・スケジュールを案内してくれます。

相談時に伝えるべき内容
  • 被害を受けている鳥獣の種類(イノシシ・シカ・クマ等)
  • 被害のある場所・農地の面積
  • 希望する対策の種類(電気柵・金属柵・わな等)

ステップ3|資材の見積もりを取る

設置を予定している柵・わなのメーカーや資材店から見積書を入手します。

ステップ4|申請書類を提出する

市町村が指定する様式に必要事項を記載して提出します。主なものは以下のとおりです。

  • 事業計画書(何をどこにいくらで設置するか)
  • 見積書(業者からの正式な見積もり)
  • 位置図・配置図(農地の地図・柵の設置ルート)
  • 農業者であることを証明する書類(農業者台帳の写し等)

ステップ5|交付決定通知を受け取ってから着工する

市町村が都道府県・国に申請し、「交付決定通知書」が届いてから初めて購入・工事を開始します。この順序を守らないと補助対象外になります。

ステップ6|実績報告・完了検査を行う

設置完了後、写真・領収書・工事完了報告書を市町村に提出します。担当者による現地確認(完了検査)が行われる場合もあります。

💬「ステップ5とステップ6の間に現場の写真を撮っておくと、完了報告がスムーズになります。設置前・設置中・設置後の3セットが理想です」

鳥獣被害防止総合対策交付金のまとめ

項目内容
正式名称鳥獣被害防止総合対策交付金
所管省庁農林水産省
対象者鳥獣被害防止計画を策定した市町村、および市町村を通じた農業者・農業者グループ
ソフト対策の補助率定額補助(国が定める基準単価×数量)※費用の全額を保証するものではない
ハード対策の補助率国1/2以内(委託施工)/定額(直営施工)。残り費用は都道府県・市町村が予算措置(農業者負担は原則ゼロ)
補助対象(ハード)電気柵・金属柵(ワイヤーメッシュ等)・処理加工施設 等
補助対象(ソフト)パトロール・研修・被害調査・捕獲技術指導・わな等捕獲機材の導入 等
申請窓口市町村の農政課・農業委員会
申請のポイント交付決定前に着工・購入しないこと
自己負担の目安ソフト対策:ゼロ ハード対策:原則ゼロ〜一部あり
対象鳥獣イノシシ・シカ・クマ・サル・カラス等(農作物被害をもたらす野生鳥獣)

一番大切なのは、まず市町村の窓口に相談すること。難しく考えず、『柵を付けたい』と伝えるだけで担当者が動いてくれます。鳥獣被害は放置するほど被害が拡大します。早めの行動が農地を守ることにつながります

申請書類・要項へのダイレクトリンク

申請書類は年度ごとに更新されるため、必ず最新版をご使用ください。

書類・情報の種類入手先
農林水産省|鳥獣被害防止総合対策交付金(マニュアル等)農林水産省公式ページ
農林水産省|鳥獣被害の現状と対策農林水産省公式ページ
農林水産省|鳥獣被害防止特措法農林水産省公式ページ
eMAFF(農林水産省電子申請)農林水産省公式ページ

申請窓口: 市町村農政課・農業委員会(市町村が申請主体)

⚠️ 農業者が個人で国に直接申請する制度ではありません。市町村が申請主体となりますので、まず市町村農政課に相談してください。申請書様式は市町村窓口で取得できます。

関連リンク・参考資料

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この記事を書いた人

農業|ライター|千葉県山武郡横芝光町でコシヒカリを始めとしたおいしいお米を生産|Word、ドキュメント、WordPressでの記事の執筆|日商簿記2級|FP3級|食品衛生責任者|英検2級

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