【2026年最新】農家の燃料費削減!今すぐできる3つの節約術

農場で作業する夕日とトラクター

農機を動かすたびに「また燃料代がかかった」とため息をついていませんか。田植えの時期、稲刈りの時期、農道を走るたびに軽油やガソリンのメーターが気になる——農家なら誰もが経験する感覚だと思います。燃料費は努力してもなかなか下がらない「避けられない経費」と諦めていませんか。

この記事では農業歴4年・農業法人代表の私が、農家の燃料費削減について実践的な方法を解説します。2026年4月1日に軽油引取税の「いわゆる暫定税率」が廃止された最新の制度内容を踏まえて整理しました。

この記事でわかること
  • 農家の燃料費が高くなる理由
  • 軽油引取税の課税免除(免税軽油)制度の最新の仕組み
  • 農機の使い方と整備で燃費を改善するポイント
  • ガソリンカードを使った節約術
  • 青色申告で正しく経費計上する方法
この記事を書いた人
たち しょうえい

太智昭栄

Shoei Tachi

  • 農業経営者(2022年〜千葉県北東部でお米を生産)
  • 日商簿記2級・3級FP技能士取得
  • 全国の農家の役に立つ補助金・融資情報を発信

ETC協同組合のガソリンカードは農家でも使いやすいガソリンカードです。

目次

農家の燃料費は経営を圧迫する「隠れたコスト」

燃料費は見えにくいからこそ、気づいたときには大きな損失になっている。

農業経営のコストといえば、肥料代・農薬代・農機具代がすぐに浮かびますが、燃料費も無視できない大きな支出です。私が経営するTACHIFARMでは、自社の経営実績ベースで年間の農業経費に占める燃料費の割合が概ね5〜10%程度になっています。

なぜ農家の燃料費はこれほど高くなるのでしょうか。主な理由は3つあります。

  • 農機の燃費が乗用車と比べて重作業向け仕様であること
  • 1回の作業で農地を何往復もするため走行距離が長くなること
  • 農道の状態が悪く、エンジンに余計な負荷がかかりやすいこと

何も対策をしないでいると燃料費は自然とふくらみ続けますが、正しい制度活用と仕組み化で削減できる余地が十分にあります。

1Lあたり15円の節税——使わない理由がない制度

農家が燃料費を削減する最大の手段は、軽油引取税の課税免除(以下:免税軽油)です。農林漁業者が農業機械に使用する軽油には、通常1Lあたり15円(15,000円/kL)の軽油引取税がかかりますが、所定の手続きで免除を受けられます。

【重要】2026年4月1日から税率が変わりました

軽油引取税は長らく1Lあたり32.1円(本則15円+暫定17.1円)でしたが、令和8年(2026年)4月1日に「いわゆる暫定税率」が廃止され、本則税率の15円/Lとなりました(地方税法附則第12条の2の7関連)。

したがって、免税軽油で受けられる節税額も1Lあたり15円となります。

節税効果シミュレーション

軽油の使用量で、どれだけお得になる?

軽油引取税が免税になることで生まれる差額

ケース①
小〜中規模の農家さん
年間使用量
1,000L
×
免税される額
15円/L
=
節税効果
15,000
ケース②
大規模経営・農業法人
年間使用量
10,000L
×
免税される額
15円/L
=
節税効果
150,000
!
以前の32.1円時代と比べると効果は約半減
それでも、申請する価値は十分にある制度です。
使う量が多いほど、お得になる!
軽油引取税の免税申請は、農家の味方です

免税軽油の申請手順

免税軽油を受けるための申請窓口は、都道府県知事(実務上は各都道府県の県税事務所または総合県税事務所)です。農業委員会や農林水産省の窓口ではない点に注意してください。手続きの流れは次のとおりです。

  1. 「免税軽油使用者証」の交付申請を都道府県(県税事務所)に提出
  2. 交付された使用者証をもとに、使用予定量を記載した「免税証交付申請」を提出
  3. 指定の石油販売事業者に免税証を提示し、免税軽油を購入する

申請書類の主なものは、農地台帳など農業経営の規模を証明する書類、本人確認書類、使用する農業機械の一覧などです。詳細は各都道府県の県税事務所のページに掲載されています。

免税軽油使用者証は「3年ごと」に更新

免税軽油使用者証の有効期間は3年以内と地方税法で定められており、毎年更新ではなく3年ごとに更新申請を行います。免税証(個別の燃料引取り用)については数量ごとに別途交付申請が必要です。

なお、農業に係る免税軽油制度は現行法では令和9年(2027年)3月31日までの時限措置(石油化学製品製造業以外)です。それ以降は税制改正の動向を必ず確認してください。

免税軽油の対象機械

対象は、道路運送車両法第4条の登録を受けていない(=ナンバープレートを有しない)農業用機械で、耕うん整地用機械、栽培管理用機械、収穫調整用機械、畜産用機械などです。具体的にはトラクター、田植機、コンバイン、スピードスプレーヤー、農業用ポンプ(動力源として軽油を使用するもの)などが該当します。

一方、ナンバープレートが付いて公道を走る軽トラックや乗用車は、農業専用に使っていても原則として対象外となります。対象範囲は都道府県により細部が異なるため、必ず管轄の県税事務所に確認してください。

【節約術①】農機の整備と使い方で燃費を改善

整備状態次第で燃費は変わる。日常メンテナンスは最も低コストな節約術

軽油引取税の課税免除と並んで、燃料費削減に直接効く対策が農機の整備です。私の経験では、前のオーナーから譲り受けたトラクターのエアフィルターを交換しただけで体感的に燃費が改善したことがあり、整備の重要性を実感しています(具体的な改善幅は機種・使用状況により異なります)。

エンジンオイルとエアフィルターの定期交換

エンジンオイルの劣化やエアフィルターの目詰まりは、燃費悪化の主要原因です。メーカーが推奨する交換サイクルを守ることが基本ですが、農業機械は埃が多い環境で使うため、一般車両より早めの交換を意識する価値があります。

オイル交換は販売店に依頼することもできますが、自分でできるようになると費用と時間を節約できます。

タイヤの空気圧管理

タイヤの空気圧が低いと転がり抵抗が増え、燃費が悪化します。農業機械のタイヤは大型で重量があるため影響が大きく、作業前の空気圧チェックを習慣化するだけで燃費改善につながります。

特にぬかるんだ条件での走行が多い時期は意識的に確認しましょう。

作業効率の高いほ場配置と走行ルート

トラクター作業では、ほ場の形状や走行ルートの工夫で無駄な往復を減らせます。代かきで同じほ場を何度も転回するより、連続して走れるルートを設計するほうが燃料消費を抑えられます。

複数ほ場をまとめて作業するときも、農機の移動距離を短縮して燃料消費を抑える有効な方法◎

【節約術②】ガソリンカードで燃料費を「見える化」

管理できないコストは削減できない——まず燃料費を見える化しましょう。

燃料費削減で見落としがちなのが「管理の仕組み」です。どの農機で・いつ・どれだけ燃料を使ったかを把握していなければ、削減施策の効果検証はできません。私がこの問題を解決するために活用しているのが、法人向けガソリンカードです。

ETC協同組合のガソリンカードは、農業法人・個人事業主の農家でも使いやすいガソリンカードです。全国6400店舗あるアポロステーション、昭和シェルSSで使えます。年会費無料・カード手数料無料で利用明細が自動で記録され、ガソリン代・軽油代を一目で把握できるようになります。

ガソリンカードを使うメリット

農家がガソリンカードを使う主なメリットは次の3つです。

  • 給油のたびにレシートを管理する手間が大きく減る
  • 月次の明細から燃料費の傾向を分析できる
  • カード特典として燃料の割引やポイント還元が受けられる場合がある

とくに青色申告をしている農家にとって、カード明細は帳簿記帳の根拠となるため使いやすいです。

TACHIFARM代表

ガソリンカードを導入して、燃料費の帳簿入力にかかる時間が体感で大きく短縮されました。

複数の農機の燃料費を一元管理

給油時に農機名をメモする習慣をつけると、どの農機が一番燃料を使っているかが見えてきます。この分析をもとに、特定農機のメンテナンス強化や稼働ルートの見直しを判断できます。

TACHIFARM代表

私が分析した結果、古い管理機の燃費が他機よりも悪いことが判明し、更新を判断するきっかけになりました。

【節約術③】燃料費を正しく経費計上して税負担を減らす

トラクターや田植機などの燃料費は全額を農業経費として計上する一方、農業にも私用にも使う軽トラックや乗用車の燃料費は、業務使用割合で按分して経費計上できます。按分率は実態に即した合理的な根拠が必要で、走行記録(運行記録)などをつけておくと税務上の説明がしやすくなります。

青色申告特別控除を最大限に活用するための要件

青色申告特別控除は、要件によって控除額が異なります(2026年現在・所得税)。

控除額主な要件
10万円控除青色申告承認のみ(単式簿記でも可)
55万円控除事業所得等を生ずべき事業を営み、複式簿記で記帳し、貸借対照表・損益計算書を確定申告書に添付し、期限内申告
65万円控除55万円控除の要件に加えて、(1)e-Taxによる電子申告 または (2)優良な電子帳簿保存 のいずれか

つまり、「複式簿記+貸借対照表添付+期限内申告」だけでは55万円が上限で、65万円控除にはe-Taxまたは電子帳簿保存が必須です。やよいの青色申告オンラインを使えばe-Taxでの電子申告は難しくないため、現役の青色申告者の方は早めに切り替えることをおすすめします。

【最新】2027年分以後は控除額が変わります

令和8年度(2026年度)税制改正により、2027年(令和9年)分以後の所得税から青色申告特別控除の構造が見直される予定です。

  • 75万円控除(新設):優良な電子帳簿の保存+e-Tax電子申告
  • 65万円控除:e-Tax電子申告(現行と同等)
  • 10万円控除(書面申告):従来の55万円控除(書面申告)は10万円に引き下げ

書面申告のみで55万円控除を受けてきた方は、何もしないと2027年分から控除額が大幅に下がることになります。会計ソフトの導入は早めに進めておくと安心です。

まとめ:燃料費削減は「仕組みづくり」から始める

農家の燃料費削減について、重要なポイントを整理します。

  • 免税軽油を申請し、1Lあたり15円の節税を確実に受ける
  • エアフィルター・エンジンオイルの定期交換する
  • ガソリンカードで燃料費を見える化する
  • 兼用車両は走行記録に基づく按分でしっかり節税する
  • 青色申告特別控除は2027年分以後は最大75万円に拡充される

燃料費削減に「魔法の一手」はありません。しかし、正しい制度の活用、農機の整備、コスト管理の仕組みを地道に積み重ねることで、確実に経営を改善できます。まずはガソリンカードの導入と免税軽油の申請(管轄の県税事務所への問い合わせ)から始めてみてください。

参考(一次情報源)

※税制・社会保険制度は改正される可能性があります。本記事は2026年5月23日時点の公表情報に基づいています。実際の申請・申告にあたっては、管轄の県税事務所・税務署または税理士にご確認ください。

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この記事を書いた人

農業|ライター|千葉県山武郡横芝光町でコシヒカリを始めとしたおいしいお米を生産|Word、ドキュメント、WordPressでの記事の執筆|日商簿記2級|FP3級|食品衛生責任者|英検2級

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