【2026年最新】農機具共済の補償内容と2つの活用シミュレーションを解説

「トラクターやコンバインが故障・損傷したら修理費が数十万円かかる。農機具共済で補償されるの?」

農業歴4年のTACHIFARM代表として、農業機械は農業経営の中でも最大クラスの投資であることを実感しています。トラクター1台で500〜700万円、コンバインも1000万円以上の機械が多く、これらが事故で損傷すれば経営への打撃は計り知れません

この記事では「農機具共済で何が補償されて何が補償されないか」を実例で整理し、民間保険との費用比較も含めて解説します。

この記事でわかること

– 農機具共済が補償する事故・補償しない事故(実例つき)
– トラクター転落の共済金シミュレーション
– 農機具共済と民間農機総合保険の費用・補償比較
– NOSAI未対応の機種・地域への対処法
– 収入保険との重複加入によるリスクの二重ガード

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この記事を書いた人
たち しょうえい

太智昭栄

Shoei Tachi

  • 農業経営者(2022年〜)
  • 千葉県北東部でお米を生産
  • 全国の農家の役に立つ補助金・融資情報を発信
目次

農機具共済が補償する事故・補償しない事故を実例で整理

農機具共済への加入前に「何が補償されて何が補償されないか」を正確に理解することが重要です。

補償される事故(○)

事故の種類具体例
圃場・農道での転落・転倒傾斜地での転倒・水路への転落
自然災害による損傷台風・洪水による機械の損傷・水没
火災格納庫・機械本体の火災
盗難農業機械の盗難
落雷電気系統・コントロールパネルの損傷
衝突事故(農道内)農道での他の農機具・構造物との衝突

補償されない事故(×)

事故の種類理由
老朽化・経年劣化による故障消耗・摩耗は補償対象外
整備不良が原因の故障適正な維持管理が前提条件
公道上での交通事故自賠責・任意自動車保険が対象
農業者の故意・重大な過失意図的損傷は対象外
取得価額が最低限度以下の小型機械NOSAIによって最低取得価額あり
公道での事故は別途対応が必要

トラクターを公道で走らせる場合は自賠責保険の加入が義務です。公道での交通事故は農機具共済ではカバーされないため、任意保険(農業機械用自動車保険)の検討も必要です。

トラクター・コンバイン転落事故の共済金はいくら?費用試算と申請体験

農機具共済の共済金は「損害額」をもとに計算されます。

共済金の計算の仕組み

  1. 共済価額の設定:取得価額から減価償却を考慮した現在価値
  2. 損害額の評価:修理費または全損時価額をNOSAIが評価
  3. 共済金の算出:損害額 − 自己負担額(免責)

シミュレーション①:トラクターが水路に転落

項目金額
トラクター取得価額(新車時)400万円
経過年数5年・現在評価額220万円
損害額(修理不能・全損扱い)220万円
自己負担(免責10%)22万円
受け取り共済金(目安)約198万円

シミュレーション②:コンバインが転倒・部分損傷

項目金額
コンバイン評価額150万円
損害額(修理費)40万円
自己負担(免責)4万円
受け取り共済金(目安)約36万円

農機具の場合、全損になると評価額(現在価値)が支払い上限になります。取得から年数が経つほど評価額が下がるため、高額農機具ほど取得直後の加入が重要です。

どちらがお得?】農機具共済と民間農機総合保険の費用・補償を徹底比較

農業機械の保険は農機具共済以外に、民間損保会社の動産保険・農業機械保険でもカバーできます。

費用・補償の比較表

比較項目農機具共済(NOSAI)民間動産保険(損保会社)
国の補助あり(地域により異なる)なし
掛金(トラクター・年額)5,000〜2万円1.5〜4万円
対象機械農業用機械(取得価額条件あり)農業用を含む一般動産全般
補償の柔軟性制度内の固定設計特約・オプションで柔軟に設計可
公道での事故対象外特約で対応可能なものあり
手続き窓口NOSAI窓口保険会社・代理店
収入保険との重複可能可能
選択の目安

– まずNOSAIで農機具共済の見積もりを取る
– 補助後の実質掛金を民間保険と比較する
– 公道使用が多い・特殊な補償が必要な場合は民間保険も検討

NOSAIが未対応?民間動産保険の活用法

農機具共済はNOSAIが運営するため、地域によって取り扱い機種や加入条件が異なります。以下のケースでは民間の動産保険を検討してください。

  • 取得価額が低く農機具共済の最低条件を満たさない小型機械(管理機・草刈り機など)
  • ドローン・スマート農業機器など農機具共済の対象外になりやすい新型機器
  • 公道走行が多いトラクターで自動車保険的なカバーも必要な場合
  • NOSAI窓口のないエリアや取り扱い停止の機種

東京海上日動・損保ジャパン等の損害保険会社では農業機械向けの動産保険を取り扱っています。JA共済でも農機具関連の補償を扱っているため、複数社に見積もりを依頼して比較することをおすすめします。

加入・被害申請の全手順:NOSAI窓口での実際の流れ

加入手順(5ステップ)

ステップ内容
1. NOSAIへ相談機械の種類・型式・購入年・取得価額を伝える
2. 機械の評価取得価額・経過年数をもとに現在価値(共済価額)を設定
3. 申請書類の記入機械の詳細・共済金額を記載して提出
4. 掛金の支払い農業者負担分を支払い
5. 加入完了加入証書を受け取り、保険期間を確認

被害申請手順

タイミングやること
被害直後損傷状況を写真・動画で記録(複数アングルで)
当日〜翌日NOSAIへ連絡。機械名・損傷状況・発生場所を報告
修理前NOSAIの現地調査・損害評価を待ってから修理を開始
調査完了後共済金が農業者口座に振り込まれる

農機具共済と収入保険の重複加入でリスクを二重ガード

農機具共済と収入保険は重複加入が可能です。それぞれがカバーするリスクの領域が異なります。

リスクの種類農機具共済収入保険
農機具の修理費・再購入費補填対象対象外
農機具損傷による作業停止期間の収入減対象外補填対象
気象災害による収穫量の減少対象外(機械以外)補填対象
価格暴落による収入減対象外補填対象

たとえばコンバインが台風で損傷し収穫作業が遅れた年は、農機具共済で修理費をカバーしながら、収穫量の減少による収入落ち込みは収入保険で補填するという二重の保護が機能します。

まとめ

農機具共済はトラクター・コンバイン等を事故・災害・盗難から守る農業共済制度です。

この記事のポイント

補償の範囲を正確に把握:老朽化・公道事故は対象外
取得直後の加入が有利:評価額が高い時期ほど補填額が大きい
民間保険と比較:NOSAI補助後の実質掛金で比較判断
収入保険と組み合わせ:機械損傷+収入落ち込みを二重カバー

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関連リンク・参考資料

⚠️ 注意事項: 本記事は令和8年度(2026年度)時点の制度内容をもとに作成していますが、制度の詳細は年度途中で変更される場合があります。最新情報は農林水産省または農業共済組合(NOSAI)の公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

農業|ライター|千葉県山武郡横芝光町でコシヒカリを始めとしたおいしいお米を生産|Word、ドキュメント、WordPressでの記事の執筆|日商簿記2級|FP3級|食品衛生責任者|英検2級

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