「トラクターって自賠責いるの?」という疑問、実は多くの農家さんが曖昧にしています。
shoeiトラクターは区分によって法律上の義務が異なるため、勘違いしたまま公道を走ると大きなトラブルになりかねません。
この記事では、現役の米農家の私が、複雑な保険と税金のルールをどこよりも分かりやすく解説します。
あなたの愛車に必要な手続きを、まずは以下の4点からチェックしてみましょう。
- 自賠責が必要かどうかの分かれ目(35km/h基準)
- 小型特殊と大型特殊の車検・ナンバー・税金の違い
- 公道を走るなら備えたい任意保険
- 見落としがちな「免許」の落とし穴


太智昭栄
Shoei Tachi
- 農業経営者(2022年〜千葉県東部でお米を生産)
- 日商簿記2級・3級FP技能士取得
- 全国の農家の役に立つ補助金・融資情報を発信
トラクターの自賠責は「区分」で決まる


分かれ目は最高速度35km/h
乗用トラクターなどの農耕作業用自動車は、最高速度で区分が決まります。35km/h未満なら「小型特殊自動車」、35km/h以上なら「大型特殊自動車」です。



まず自分のトラクターがどちらの区分か確認することから始まります。
小型特殊は自賠責の対象外、大型特殊は加入が必要
農耕作業用の小型特殊トラクターは、自賠責保険の対象外で、そもそも加入できません。車検もありません。一方、大型特殊に区分されるトラクターは自賠責への加入が必要で、車検も原則2年ごとに受けます。
| 項目 | 小型特殊(35km/h未満) | 大型特殊(35km/h以上) |
| 自賠責保険 | 対象外 | 加入が必要 |
| 車検 | なし | 原則2年ごと |
| ナンバー登録 | 市区町村で登録 | 運輸支局で登録 |
| 税金 | 軽自動車税 | 固定資産税(償却資産) |
※出典:区分の基準は道路運送車両法施行規則(別表第1)、自賠責の扱いは自動車損害賠償保障法第2条。詳細は市区町村・運輸支局でご確認ください。
自賠責がなくても「無保険で公道走行」は危険


自賠責対象外=補償があるわけではない
小型特殊が自賠責の対象外なのは、「入らなくても補償される」という意味ではありません。



むしろ逆で、公道で人身事故を起こせば賠償は全額自己負担になります。
公道を走るなら任意保険でカバーする
トラクターで公道を走るなら、任意保険での備えが現実的です。加入方法は複数あるため、取り扱いは各社・JAでご確認ください。
- 損保・JA共済のトラクター向け任意保険(自動車共済)に加入する
- 乗用車の任意保険に、農耕作業用自動車を対象にできる特約があるか確認する
- 対人・対物賠償を優先し、補償額は無制限を基本に考える
| 💡 道路を挟んだ圃場への移動も「公道走行」です。1日数分でも、事故のリスクはゼロではありません。 |
農作業中の事故は自動車保険の対象外


圃場の中の事故は「運行による事故」ではない
注意したいのは、自動車保険がカバーするのは原則「走行中の事故」という点です。しかし、農作業事故の多くは圃場の中で起きています。
| ⚠️ 自動車保険の対象外になりやすい3つの事故の例 ・ロータリー作業中の巻き込まれ ・傾斜地・あぜ道でのトラクター転落・転倒 ・作業機の着脱中のケガ |
人のケガは労災の特別加入で備える
農作業中のケガには、労災保険の特別加入が有力な備えになります。さらに、傷害保険や農機具共済を組み合わせると、人と機械の両方をカバーできます。
「登録」と「免許」は別物!大型トラクターの落とし穴
小型特殊登録でも小型特殊免許で乗れるとは限らない
登録の区分は道路運送車両法、運転免許は道路交通法と、根拠になる法律が別です。



そのため「小型特殊で登録したから小型特殊免許でOK」とは限りません。
サイズと速度の4条件を確認する
小型特殊免許(普通免許を含む)で運転できるのは、次の4つの条件をすべて満たす場合です。
- 長さ4.7m以下
- 幅1.7m以下
- 高さ2.0m以下(安全キャブ・安全フレーム付きで、その部分を除く高さが2.0m以下なら全高2.8m以下)
- 最高速度15km/h以下
1つでも超えるトラクターの公道走行には、大型特殊免許(農耕車限定を含む)が必要です。
まとめ|35km/h基準で確認、公道を走るなら任意保険を
| 🌾 この記事のまとめ ・最高速度35km/h未満は小型特殊、35km/h以上は大型特殊 ・小型特殊は自賠責対象外・車検なし (ただし無保険の公道走行は危険公道を走るなら任意保険や特約で対人・対物に備える) ・圃場での農作業中の事故は自動車保険の対象外が原則 ・サイズ・速度の条件を1つでも超えるトラクターは大型特殊免許が必要 |
制度・保険の取り扱いは変わることがあります。最新の情報は市区町村・保険会社の公式情報でご確認ください。



軽トラ・乗用車を含めた農家の自動車保険の全体像は、こちらの記事をどうぞ。










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