【2026年最新】農業経営改善計画書の書き方!認定農業者5つのメリット

夕日の中で働く農作業者

「認定農業者って、うちには関係ない話でしょ?」

農業を始めたばかりのとき、私もそう思っていました。名前は聞いたことがあるけれど、ベテランや大規模農家だけの制度だと思い込んでいませんか?結論、認定農業者になるだけで、融資・補助金・ 税制の3つで数百万円単位の恩恵を受けられる可能性があります

この記事ではTACHIFARM代表で農業歴4年の私が農業経営改善計画書の書き方と認定農業者になるメリット・申請手順について解説します。

この記事でわかること
  • 農業経営改善計画書とは何か・誰が対象か
  • 認定農業者になる5つの具体的なメリット(金額・制度名つき)
  • 農業経営改善計画書の4つの書き方ポイント
  • 認定申請の5ステップと審査を通すコツ
この記事を書いた人
たち しょうえい

太智昭栄

Shoei Tachi

  • 農業経営者(2022年〜千葉県北東部でお米を生産)
  • 日商簿記2級・3級FP技能士取得
  • 全国の農家の役に立つ補助金・融資情報を発信
目次

農業経営改善計画書・認定農業者制度とは

農業経営改善計画書は「5年後の農業経営の設計書」

農業経営改善計画書とは、5年後の経営目標と、 そこに向けた具体的な取り組みを書いた計画書です。農業経営基盤強化促進法に基づき、市町村長(または都道府県知事・農林水産大臣)に提出して認定を受けます。

書く内容は大きく4項目です。

項目書く内容
農業経営規模の拡大農地面積・販売金額の現状と5年後の目標
生産方式の合理化機械化・スマート農業の導入計画
経営管理の合理化青色申告・簿記記帳の実施方針
農業従事の態様の改善労働時間・後継者・雇用の計画

難しく聞こえますが、「今の農業経営の数字」と 「5年後こうなりたい」を書くだけです。市町村の農政担当窓口がサポートしてくれるので、一人で完成させる必要はありません。

認定農業者制度の仕組みと対象者

農業経営改善計画書の認定を受けた農家が「認定農業者」となります。個人農家・農業法人どちらでも申請できます。新規就農2〜3年目から申請している農家も多く、認定農業者=大規模ベテランだけという思い込みは不要です。

認定の対象になる農業者の目安
  • 農業で一定の所得・規模を確保する意欲がある農業者
  • 5年間の具体的な経営目標を立てられる農業者
  • 市町村の農業振興基本構想に沿った計画が作れる農業者

認定農業者になる5つのメリット

①スーパーL資金で最大6億円・当初5年間金利優遇

認定農業者の最大の特典がスーパーL資金(農業経営基盤強化資金)の利用資格です。

項目内容
融資限度額個人3億円(特認6億円)・法人10億円(民間金融機関との協調融資の状況に応じ30億円)
金利優遇当初5年間、最大2%の金利負担軽減
使途農地取得・農機具・施設・運転資金

地域計画の目標地図に位置付けられた認定農業者であれば、金利負担を抑えながら大型投資が可能です。返済額を減らしながら規模拡大できる点が、 認定農業者の最大の経済メリットです。

②担い手確保・経営強化支援事業の優先採択

農業の機械・施設導入に使える担い手確保・経営強化支援事業は、認定農業者が申請の優先対象となります。補助率は1/2以内が基本で、農機具や農業用施設の整備に活用できます。

補助金は返済不要のため、融資と組み合わせることで 自己負担を最小化した投資計画が組めます。

③農業経営基盤強化準備金制度で積立額を全額控除

認定農業者かつ青色申告をしている農家が使える節税制度です。また、青色申告の特別控除(最大65万円)と組み合わせると、節税効果は大きくなります。認定農業者×青色申告のセットは、 農業経営における最強の節税コンボです。

④農業者年金の保険料助成で老後の備えが手厚くなる

認定農業者で青色申告をしている農家は、農業者年金の保険料について国からの助成を受けられます。所得・年齢水準に応じて月額最大1万円の助成があり、老後の備えをしながら現役時代の負担を軽減できます。

⑤農地の優先借り受けで規模拡大しやすくなる

農地中間管理機構(農地バンク)を通じた農地の借り受けにおいて、認定農業者は優先的に農地を確保しやすくなります。地域計画の目標地図への位置付けにより、規模拡大の機会が大幅に広がります。

規模拡大を考えているなら、認定農業者になることが農地確保の最初の一手です。

農業経営改善計画書の書き方|4つの記入ポイント

①農業経営規模の拡大:現状と5年後の数字を書く

農地面積・作付面積・販売金額の現状と5年後の目標を記入します。

記入のコツ

5年後の目標は、少し背伸びすれば届く数字で設定します。
現状の1.2〜1.5倍程度が審査で通りやすい目安です。

項目現状例5年後目標例
経営農地面積3ha5ha
年間農業所得200万円400万円
年間労働時間2,000時間1,800時間

②生産方式の合理化:機械化・スマート農業の計画を書く

使用農機具の現状と、5年以内に導入予定の機械・技術を記入します。

記入のコツ

ドローン防除・GPS農機・自動水管理など、具体的な機器名を入れると審査担当者に経営改善の本気度が伝わります。農機具購入の資金計画もあわせて記載できると説得力が◎

③経営管理の合理化:青色申告・簿記の実施状況を書く

複式簿記・青色申告の実施状況と、今後の経理体制を記入します。

記入のコツ

まだ青色申告をしていない場合は「〇年以内に青色申告に切り替える」と書くだけでOKです。クラウド会計ソフトの導入計画を加えるとさらに高評価になります。

農家の青色申告とクラウド会計ソフトの選び方はこちら

④農業従事の態様の改善:労働時間・後継者の計画を書く

繁忙期・閑散期の労働時間の現状と、雇用・後継者育成の方針を記入します。

記入のコツ

「家族経営から雇用経営への移行」「後継者への経営継承の時期の目安」を書くと、長期的な農業経営の意欲が審査で高く評価されます。

認定農業者の申請手順5ステップ

STEP 1|市町村の農政担当窓口に相談する

まず市町村役場の農政・農業委員会担当窓口に連絡します。申請書類のひな形や記入例を入手でき、担当者がマンツーマンで書き方を教えてくれるケースがほとんどです。

一人で悩む前に窓口相談することが、最短で認定を受けるルートです

STEP 2|農業経営改善計画書を作成する

前章の4つのポイントに沿って計画書を作成します。現状の数字(農地面積・販売金額・所得)は確定申告書や農業手帳を参照しながら記入しましょう。

作成期間の目安は窓口相談から2〜4週間が一般的です

STEP 3|認定申請書を提出する

農業経営改善計画書と認定申請書をセットで提出します。提出先は農業経営の範囲によって異なります。

農業経営の範囲申請先
単一市町村内市町村長
単一都道府県内の複数市町村都道府県知事
複数の地方農政局管轄農林水産大臣

令和2年(2020年)以降はgBizIDを使った電子申請も可能です

STEP 4|市町村による審査・認定を受ける

市町村が計画内容を審査します。審査の主なポイントは以下の3点です。

  1. 市町村の農業振興基本構想に沿っているか
  2. 農地の効率的・総合的な利用に貢献するか
  3. 計画の達成見込みが現実的か

否認されるケースの多くは「目標数字が現状と乖離しすぎている」場合です。担当者と事前に数字のすり合わせをしておくと審査通過率が大幅に上がります。審査期間の目安は1〜2ヶ月です。

STEP 5|認定後すぐに各制度の活用を始める

認定を受けたら認定書を持って日本政策金融公庫・JAバンク・ 農業共済組合にすぐ連絡しましょう。手続きを早めに始めることで、認定のメリットを最大化できます。

また、認定農業者証は5年ごとに更新が必要です。更新時には経営の進捗を報告し、次の5年間の計画を提出します。更新を忘れると認定が失効し、各種優遇が受けられなくなるため注意が必要です。

まとめ

農業経営改善計画書の書き方と認定農業者になるメリット・申請手順を解説しました。

この記事のポイント
  • 農業経営改善計画書は「5年後の経営目標の設計書」で、窓口で一緒に作れる
  • 認定農業者になるとスーパーL資金・補助金優先採択・節税制度の3つで大きな恩恵がある
  • 申請は市町村窓口への相談から始め、5ステップで完了する
  • 認定後すぐに各制度の手続きを始めることが収益最大化のカギ

認定農業者は特別なベテラン農家だけのものではありません。 就農2〜3年目から申請し、融資・補助金・節税を最大限に活用することが、 農業経営を安定させる近道です。

まず市町村の農政担当窓口に電話一本かけてみてください。それが認定農業者への最初のステップです。

参考資料

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この記事を書いた人

農業|ライター|千葉県山武郡横芝光町でコシヒカリを始めとしたおいしいお米を生産|Word、ドキュメント、WordPressでの記事の執筆|日商簿記2級|FP3級|食品衛生責任者|英検2級

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