
コンバインは数千万円するし、ハウスも建てたら数百万…



補助金があるって聞いたけど、要件が複雑そう…
農業を始めたばかりの方なら、誰もが一度はこんな壁にぶつかるのではないでしょうか。農業機械や施設の初期投資は、新規就農者にとって最大のハードルのひとつです。
この記事ではTACHIFARM代表で農業歴4年の私が新規就農者育成総合対策(経営発展支援事業)の要件から応募方法までわかりやすく解説します。



これからの農業を一緒に盛り上げましょう!
- 補助率・上限額の仕組みと受け取れる金額
- 対象となる農業機械・施設の具体例と価格
- 認定新規就農者になるための要件と手順
- 青年等就農計画の作成・提出方法
- 申請の流れと窓口
⚠️ 注意事項: 令和8年度(2026年度)の制度は年度途中で変更・更新される場合があります。申請前に必ず最新情報を農林水産省または最寄りの市町村窓口でご確認ください。




新規就農者育成総合対策(経営発展支援事業)の補助額の上限・補助率


補助率1/2・上限1,000万円の仕組み
新規就農者育成総合対策の経営発展支援事業では、農業用機械・施設の導入にかかる費用の1/2以内、最大1,000万円が補助されます。
たとえば、3,000万円の機械・施設を導入する場合、補助金として最大1000万円が交付され、残りの2000万円(1/2以上)は自己負担となります。自己負担分については青年等就農資金(無利子融資)を活用することができるため、実質的に少ない現金負担で設備投資を行えるケースもあります。
補助上限1,000万円というのは、1,000万円の設備を買えば全額もらえるということではなく、あくまで補助対象経費の上限が1,000万円という意味です。1/2は必ず自己負担が発生します
なお、就農準備資金・経営開始資金を同時に受給している場合、補助上限は500万円に引き下げられます。どの支援制度を受けているかを事前に整理しておくことが大切です。
対象となる機械・施設の具体例
農業機械(動力機械類)
| トラクター(20〜40馬力) | 価格の目安は約200〜500万円。補助を使えば実質100〜250万円程度の自己負担で導入可能です。 |
| 管理機(歩行型耕運機) | 価格の目安は約30〜100万円。小規模な圃場や畑作に適した機械です。 |
| コンバイン | 価格の目安は300〜700万円。水稲農家には必須の機械です。 |
| 動力噴霧器・防除機 | 価格の目安は20〜80万円。病害虫防除の作業効率を高めます。 |
施設・設備類
| パイプハウス(ビニールハウス) | 1棟あたり数十万〜数百万円規模。果菜類や花卉栽培の拠点となる施設。 |
| 育苗施設(育苗ハウス・育苗器) | 価格の目安は50〜200万円。自家育苗で経費削減と収穫時期の安定化が図れます。 |
| 灌水設備・自動環境制御装置 | ハウス内の温湿度・CO₂を自動管理します。 |
| 農産物調製・選別機 | 出荷規格の統一化と作業効率改善に役立ちます。 |



果樹・茶の新植・改植費用も対象となります。
※上記はあくまで参考価格帯のため、詳細は公的調査データ(MAFF実証プロジェクト報告書等)またはメーカー公式をご確認ください。
新規就農者育成総合対策(経営発展支援事業)の対象者とは


認定を受けるための主な要件
経営発展支援事業を受けるためには、「認定新規就農者」であることが大前提です。
年齢要件
- 就農時点で原則49歳以下であること
就農状況の要件
- 農業経営を独立・自営で行っていること、またはこれから行おうとしていること
- 既存の認定農業者でないこと
経営の独立性に関する4要件
- 農地の所有権または利用権を自分で持っていること
- 主要な農業機械・施設を自分で所有またはリースしていること
- 農産物の販売・取引を自分の名義で行っていること
- 農業所得・経費の経理を独立して行っていること
青年等就農計画とは
青年等就農計画とは、農業経営基盤強化促進法に基づき、新たに農業を始める方が作成する農業経営の設計図です。
計画書に盛り込む主な内容
- 就農の目的・動機
- 就農予定地・農地の面積・取得状況
- 作付する作物・品目
- 販路(直売・市場出荷・農協出荷等)
- 必要な農業機械・施設のリスト
- 5か年の収支計画(売上・経費・農業所得の見通し)
計画の作成手順
- 市町村の農業担当課に相談し、様式・記入例を入手
- 農業普及指導センターのアドバイスをもとに収支計画を作成(根拠のある数字が重要)
- 市町村へ提出・審査(農業委員会等から意見聴取)
- 認定書の交付 → 「認定新規就農者」となる
計画書の数字が甘いと審査を通過しにくくなります。農業普及指導センターの担当者に計画書の数字を見てもらい、フィードバックをもらいながら修正していくのが一番の近道です。
NG条件・注意点
- 就農時の年齢が50歳以上の場合
- すでに認定農業者として認定を受けている場合
- 親・家族と同一経営と見なされる場合
- 補助を受けて取得した機械・施設の一定期間内の処分・目的外使用(返還義務あり)
- 経営開始資金を同時受給中で補助上限500万円を超える申請
経営発展支援事業の自己負担割合とは(1/2以上)
経営発展支援事業では、補助率が1/2以内と定められているため、導入コストの1/2以上は必ず自分で負担しなければなりません。
| 導入コスト | 補助金(上限1/2) | 自己負担(最低1/2) |
|---|---|---|
| 200万円 | 最大100万円 | 最低100万円 |
| 500万円 | 最大250万円 | 最低250万円 |
| 1,000万円 | 最大500万円 | 最低500万円 |
| 2,000万円 | 最大1,000万円 | 最低1,000万円 |
自己負担分の資金調達手段として最も現実的なのが青年等就農資金(無利子融資)です。認定新規就農者を対象にした農林水産省の無利子融資で、借入限度額は3,700万円。実質無担保・無保証人での借入が可能です。
自己負担が1/2以上必要と聞いてひるんでしまう方もいるかもしれませんが、無利子融資を組み合わせることで実際の現金支出は大幅に抑えられます。補助金と融資をセットで考えることが、賢い資金計画のポイントです
誰でもできる!経営発展支援事業の申し込み手順5ステップ


STEP 1|市町村の農業担当窓口に相談する
まず、就農予定地の市町村役場の農業担当課を訪ねてください。今年度の公募スケジュール、必要書類の一覧、青年等就農計画の様式と記入例を確認します。
補助金には年度ごとの予算枠があります。特に年度初めの早い時期に申請する方が採択されやすい傾向があります。思い立ったらまず電話・訪問することをおすすめします
STEP 2|青年等就農計画を作成・認定申請する
まだ認定新規就農者でない場合は、青年等就農計画を作成して市町村に認定申請を行います。すでに認定を受けている場合はスキップできます。
STEP 3|導入する機械・施設を決め、見積もりを取る
補助申請には導入予定の機械・施設の見積書が必要です。メーカー・農機具販売店・施工業者などから複数社の見積もりを取得します。
STEP 4|交付申請書類を作成・提出する
主な提出書類(自治体により異なる場合があります):
- 交付申請書
- 青年等就農計画認定書のコピー
- 導入機械・施設の見積書
- 収支計画書・事業計画書
- 農地の利用権を示す書類
STEP 5|交付決定後に機械・施設を発注・導入する
交付決定通知が届く前に発注・購入した機械・施設は、原則として補助対象外となります。これは補助金全般に共通する大原則です。必ず交付決定後に発注・契約してください。
導入完了後は実績報告書を提出し、審査を経て補助金が交付(精算払い)されます。
実際の補助金の入金は、機械・施設の導入が完了して実績報告を提出した後になります。一時的に全額立て替えが必要になる場合が多いため、つなぎ融資を活用するケースもあります。資金繰り計画も事前に立てておくことが大切です
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 1/2以内 |
| 補助上限額 | 1,000万円(経営開始資金等との併給時は500万円) |
| 対象者 | 認定新規就農者(就農時49歳以下) |
| 対象経費 | 農業用機械・施設・果樹等の新植改植費 |
| 自己負担 | 1/2以上(青年等就農資金の無利子融資と組み合わせ可) |
| 申請窓口 | 市町村 |
農業機械や施設の高い初期コストをあきらめる前に、ぜひ一度、お住まいの市町村の農業担当窓口に足を運んでみてください。補助金と融資をセットで活用することで、新規就農のハードルを大幅に下げることができます。
申請書類・要項へのダイレクトリンク
申請に必要な書類・要項は下記リンクから直接入手できます。申請書類は年度ごとに更新されるため、必ず最新版をご使用ください。
| 書類・情報の種類 | 入手先 |
|---|---|
| 農林水産省|新規就農者育成総合対策(要綱・申請様式) | 農林水産省公式ページ |
| 農林水産省|認定就農者制度 | 農林水産省公式ページ |
| 農林水産省|新規就農者の皆さんへ | 農林水産省公式ページ |
| eMAFF(農林水産省電子申請) | 農林水産省公式ページ |
申請窓口: 都道府県農業会議または市町村農業委員会
⚠️ 機械・施設の導入には認定就農者の資格が必要です。認定申請書類は市町村農業委員会で取得できます。










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