【2026年最新】担い手農家の税制優遇6選!節税特例まとめ

農場の倉庫で計算する男性

「確定申告のたびに税金が高いと感じているけど、何か使える制度はないの?」

農業経営を続けていると、毎年この悩みに行き当たりますよね。農業には一般的なビジネスでは使えない税制優遇がたくさん存在しますが、実は知らない農家が非常に多いのが現実です。

結論、担い手農家・認定農業者が使える税制優遇をフル活用すれば年間で数十万〜百万円単位の節税が可能です。

この記事ではTACHIFARM代表で農業歴4年の私が担い手農家が使える税制優遇6つとその組み合わせ方について解説します。

この記事でわかること
  • 担い手農家の税制優遇を使える人の条件
  • 節税できる6つの特例と具体的な金額
  • 令和7・8年の制度改正で何が変わるか
  • 組み合わせた場合の節税シミュレーション
この記事を書いた人
たち しょうえい

太智昭栄

Shoei Tachi

  • 農業経営者(2022年〜千葉県北東部でお米を生産)
  • 日商簿記2級・3級FP技能士取得
  • 全国の農家の役に立つ補助金・融資情報を発信
目次

担い手農家が使える税制優遇とは

誰が対象か・前提条件を確認する

「担い手農家の税制優遇」を使えるのは、主に以下の農業者です。

対象者主に使える特例
青色申告をしている個人農家全6特例
認定農業者(個人・法人)農業経営基盤強化準備金・圧縮記帳を含む全特例
地域計画の目標地図に位置付けられた農業者令和7年以降の準備金制度

白色申告のままでは使えない特例がほとんどのため、まず青色申告への切り替えが最優先の一手となります。

使える特例の全体像

番号特例名節税効果の目安
青色申告特別控除最大65万円の所得控除
青色事業専従者給与家族給与を全額経費化
純損失の3年間繰越控除赤字分を翌3年間の所得と相殺
少額減価償却特例30万円未満の農機具を即時全額経費化
農業経営基盤強化準備金交付金の積立額を全額経費算入
圧縮記帳農地・農機具取得時の課税を繰延

担い手農家が使える6つの節税特例

①青色申告特別控除(最大65万円)

複式簿記で記帳し、e-Taxで電子申告した場合に農業所得から最大65万円を控除できます。

帳簿方式申告方法控除額
複式簿記e-Tax(電子申告)65万円
複式簿記書面申告55万円
簡易簿記どちらでも10万円

所得税・住民税・国民健康保険料の計算のもとになる所得が下がるため、実質の節税効果は控除額以上になります。年収400万円の農家であれば、65万円控除で所得税・住民税あわせて10万円以上の節税になるケースが多いです。

TACHIFARM代表

65万円の控除はサラリーマンでは味わえない国の制度のため、使わない手はありません。

②青色事業専従者給与の全額経費化

家族(配偶者・子)に農作業を手伝ってもらい給与を支払っている場合、事前に税務署へ届出をすることで支払った給与を全額経費にできます。これが、白色申告の「専従者控除」(最大86万円)との違いが大きいポイントです。

青色申告では実際に支払った給与額が全額経費になるため、家族経営の農家ほど節税効果が高くなります

③純損失の3年間繰越控除

農業経営が赤字になった年は、その損失を翌年以降3年間にわたって所得から差し引けます。

就農初期や設備投資の多い年に赤字が出た場合でも、その赤字を翌年以降の黒字と相殺することで税負担を平準化できます。大型農機具を購入した年は赤字になりやすいため、 この制度との組み合わせが特に効果的です

④30万円未満の農機具を即時全額経費化

取得価額30万円未満の農業用機械・設備は、購入した年に全額を経費計上できます(少額減価償却資産の特例)。

通常は数年間に分けて減価償却するところを、購入年に一括経費化することで、その年の所得を大幅に圧縮できます。年度末に利益が出そうな年は、30万円未満の農機具購入を意識的に行うことが節税の実践テクニックです。

⑤農業経営基盤強化準備金で積立額を全額経費算入

農業経営改善計画の認定を受けた農家(認定農業者)が経営所得安定対策の交付金を積み立てた場合、積立額を最大1,000万円まで経費算入できます。

項目内容
積立対象水田活用の直接支払交付金等の交付金収入
積立限度額交付金収入額または事業所得の少ない方
使途農用地・農業用施設・農機具の取得
取崩時圧縮記帳(⑥)と組み合わせてさらに節税可能

交付金をもらうたびに積み立てるだけで節税になる、 認定農業者専用の強力な制度です。

→ 認定農業者の申請手順は農業経営改善計画書の書き方と認定農業者5つのメリットで解説しています【内部リンク】

⑥圧縮記帳で農地・農機具購入時の課税を繰延

農業経営基盤強化準備金を取り崩して農地・農機具を購入した場合、取得資産の帳簿価額を引き下げ(圧縮)することで、 その分の課税を将来に繰り延べられます。

圧縮記帳は税金の免除ではなく課税の繰延べですが、現金として手元に残る期間が長くなるため、経営のキャッシュフロー改善に直結します。

令和7・8年の制度改正で何が変わるか

農業経営基盤強化準備金制度に重要な改正があります。見落とすと特例が使えなくなる可能性があるため、必ず確認してください。

時期改正内容
令和7年度以降準備金の積立には、市町村の地域計画で「農業を担う者」として位置付けられていることが必須
令和8年度以降準備金を活用した農用地取得には、地域計画で利用者として定められていることが必須

地域計画への位置付けは認定農業者になることで対応できます。令和7年以降に準備金制度を継続活用するためにも、認定農業者の申請を早めに進めることが重要です。

節税効果の組み合わせシミュレーション

認定農業者・青色申告・専従者給与をフル活用した場合の試算です。

節税特例節税効果の例
青色申告特別控除所得税+住民税 約10〜15万円減
青色事業専従者給与(配偶者150万円)約20〜30万円減
農業経営基盤強化準備金(積立200万円)約30〜40万円減
30万円未満農機具の即時経費化(50万円分)約7〜10万円減
合計約67〜95万円の節税

※税率・所得額により異なります。

特例を何も使わずに確定申告しているのと比較すると、 同じ農業収入でも年間数十万円の手取り差が生まれます。これは農機具1台分の購入費に相当します。

→ 青色申告の始め方はこちら【内部リンク:農家の青色申告とクラウド会計ソフトの選び方】

まとめ

担い手農家が使える税制優遇6つと組み合わせ方を解説しました。

この記事のポイント
  • 税制優遇の入口はすべて「青色申告」。まず切り替えが最優先
  • 認定農業者になると農業経営基盤強化準備金・圧縮記帳が使えるようになる
  • 令和7年以降、準備金制度には地域計画への位置付けが必須になる
  • 特例を組み合わせると年間67〜95万円以上の節税も現実的

節税は農業経営の見えないコスト削減です。 同じ収入でも手取りを大きく変えられる。 特例を使いこなすことが、農業経営の安定につながります。

まず青色申告に切り替え、認定農業者の申請を進めるところから始めてください。

参考資料

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この記事を書いた人

農業|ライター|千葉県山武郡横芝光町でコシヒカリを始めとしたおいしいお米を生産|Word、ドキュメント、WordPressでの記事の執筆|日商簿記2級|FP3級|食品衛生責任者|英検2級

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