「継ぐ人がいない。自分の代で農業を終えることになりそう」——後継者のいない農家にとって、離農したあとの生活資金は切実な不安です。会社員と違って退職金はなく、年金も国民年金(基礎年金)だけになりがち。さらに、残された農地や機械をどうするかという問題も重なります。
けれど、早めに準備すれば、離農後の生活は十分に設計できます。やるべきことは、農地の出口を考えることと、自分の老後資金を“自分でつくる”ことの2つです。
shoei農業を後継した立場として、他人事にはできません。現役の米農家の視点で、後継者がいない農家の離農後のお金の備え方を整理します。
| この記事でわかること ・後継者がいない農家が直面するお金の3つの課題 ・農地の出口(農地バンク・第三者継承・貸付)の選択肢 ・離農後の生活資金の柱(年金+自分でつくる退職金) ・早めに始める備え(小規模共済・iDeCo・NISA) |
離農後の老後資金づくりは、ファイナンシャルプランナーに無料で相談できます


太智昭栄
Shoei Tachi
- 農業経営者(2022年〜千葉県東部でお米を生産)
- 日商簿記2級・3級FP技能士取得
- 全国の農家の役に立つ補助金・融資情報を発信
後継者がいない農家が直面する3つの課題


- 退職金がない:引退してもまとまったお金が入らない。
- 年金が少ない:国民年金(基礎年金)が中心で、上乗せがないと生活費に足りない。
- 農地・機械の処分:放置すると管理負担や固定資産税が続く。早めの出口設計が必要。
農地をどうする?離農後の出口の選択肢
農地を“どう手放す・活かす”かは、離農後のお金にも直結します。主な選択肢は次のとおりです。
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| 農地バンクへ貸付 | 農地中間管理機構を通じて担い手に貸し、賃料収入を得る |
| 第三者への継承 | 親族以外の新規就農者へ経営や農地を引き継ぐ(第三者継承) |
| 売却・転用 | 条件が合えば売却。市街化調整区域など制約に注意 |



農地は簡単に処分できないため、離農の数年前から動き出すことが大切。地域の農業委員会や農地バンクに早めに相談しましょう。
離農後の生活資金の柱を整える


離農後の生活費は、公的年金+自分でつくった退職金・資産でまかなうのが基本です。まずは年金の見込みを確認しましょう。国民年金は満額でも夫婦で月約14.1万円(令和8年度)。生活費(夫婦で月約26.4万円)には毎月12万円前後足りない計算です。



この不足をどう埋めるかが、離農後設計の中心になります。
農家の老後資金はいくら必要?国民年金だけで足りない理由と備え方
早めに始める“自分でつくる”3つの備え
現役のうちに、節税しながら老後資金を積み上げておきましょう。代表的な3つです。
- 小規模企業共済:個人事業主の退職金制度。掛金は全額所得控除、引退時にまとまったお金を受け取れる。
- iDeCo:掛金全額が所得控除、運用益も非課税。原則60歳以降に受け取り。
- NISA:運用益が非課税で、いつでも引き出せる柔軟さ。離農時期に合わせて使える。
| 💡 “離農の時期”から逆算する いつ離農するか、その時いくら必要か——ここから逆算すると、毎月いくら積み立てればよいかが見えます。受け取り時期と引退時期を合わせる設計(小規模共済やiDeCoの受取、農地の賃料収入など)で、離農後の家計が安定します。 |
よくある2つの質問(Q&A)
離農後の生活、いくら必要でいくら足りる?


年金の見込み、農地の出口、自分でつくる退職金——後継者がいない農家の離農後設計は、要素が多く一人では整理しづらいものです。農家のお金に詳しいFPの無料相談なら、あなたの年金・資産・離農予定をもとに、離農後の生活資金の見通しを一緒に立てられます。



老後・家計・相続まで横断して無料で相談できるので、早めに将来を見える化してみてください。
まとめ|離農後の生活資金はお早めに!
後継者がいない農家は、退職金なし・年金少なめ・農地の処分という課題を同時に抱えます。これらは「離農後にいくら必要で、いくら用意できるか」という一つの設計図でつながっています。農地は農地バンク・第三者継承・売却など出口を数年前から準備。生活資金は公的年金+自分でつくる退職金(小規模共済・iDeCo・NISA)で、不足分を計画的に埋めます。
離農の時期から逆算して受取時期を合わせると家計が安定します。整理に迷ったら、お金に詳しいFPの無料相談を活用してみてください。
出典・参考
・日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」(https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/kojin/2026/202604/0401.html)
・総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2025.pdf)
・農林水産省「農地中間管理機構(農地バンク)」「第三者継承」
・中小機構「小規模企業共済」、金融庁「NISAを知る」(いずれも2026年7月9日時点で確認)
※本記事は一般的な情報提供であり、特定の金融商品・制度への加入を推奨するものではありません。掛金上限・税制・各制度の要件は改正される場合があります。最新の内容は各公式サイトでご確認のうえ、ご自身の状況に応じて専門家にご相談ください。










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