【2026年最新】退職金がない農家へ|自分でつくる“農家の退職金”3つの方法

通帳を眺める男性

「農業を引退するころ、手元にまとまったお金がない」——これは個人で農業を営む方に共通する不安です。会社員と違い、農家には退職金がありません。さらに公的年金も国民年金(基礎年金)だけになりがちです。

でも、退職金は“制度として”自分でつくれます。しかも、積み立てながら毎年の税金を減らせる方法があります。これを使わない手はありません。

この記事では、農家が自分でつくれる退職金の代表的な3つの方法——小規模企業共済・iDeCo・NISA——を、それぞれの長所と向き不向きで整理します。

現役の米農家(農業法人代表)の視点で、「収入がブレる農業でも続けやすいのはどれか」という観点も交えて解説します。

この記事でわかること
・農家に退職金がない理由と、自分でつくる3つの方法
・小規模企業共済・iDeCo・NISAの特徴と、節税・引き出しやすさの違い
・収入が不安定な農家でも続けやすい組み合わせ方
・どこから始めればよいか(優先順位の考え方)

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この記事を書いた人
たち しょうえい

太智昭栄

Shoei Tachi

  • 農業経営者(2022年〜千葉県東部でお米を生産)
  • 日商簿記2級・3級FP技能士取得
  • 全国の農家の役に立つ補助金・融資情報を発信

目次

なぜ農家には退職金がないのか

退職金は、会社が従業員のために用意するもの。個人で農業を営む方は“雇われていない”ため、退職金制度がそもそもありません。加えて、会社員が入る厚生年金(2階部分)もなく、受け取れるのは国民年金(基礎年金)が中心です。

令和8年度の老齢基礎年金は満額で月70,608円。夫婦2人でも満額で月約14.1万円ほどで、高齢夫婦の生活費(消費支出は月約25.7万円)には毎月11万円前後足りない計算になります。だからこそ、現役のうちに“自分の退職金”を積み立てておくことが大切です。

農家の老後資金はいくら必要?国民年金だけで足りない理由と備え方

自分でつくる退職金①|小規模企業共済(退職金そのもの)

国の機関(中小機構)が運営する、個人事業主のための退職金制度です。農業の個人事業主(従業員20人以下)が加入でき、引退・廃業時にまとまったお金を受け取れます。

  • 掛金 月1千〜7万円、年最大84万円が全額所得控除
  • 受取は一括(退職所得控除)/分割(公的年金等控除)/併用が選べる
  • 注意:12か月未満は掛け捨て、20年未満の任意解約は元本割れ

農家の退職金は小規模企業共済で|加入条件と節税メリットを解説

自分でつくる退職金②|iDeCo(運用しながら節税)

自分で掛金を出して運用する私的年金。掛金が全額所得控除、運用益も非課税、受取時も控除と、三段階で税制優遇があります。

  • 第1号(個人農家)の上限は月6.8万円(2026年12月改正で月7.5万円・加入は70歳未満まで拡大)
  • 原則60歳まで引き出せない(老後資金専用)
  • 注意:農業者年金とは併用不可(国民年金基金とは併用可)

農家のiDeCo活用術|個人事業主が節税しながら老後に備える方法

自分でつくる退職金③|NISA(いつでも引き出せる柔軟さ)

NISAは運用益が非課税になる制度。掛金の所得控除はありませんが、いつでも引き出せるのが最大の強みです。豊作・不作で収入がブレる農家にとって、急な出費に対応しやすい点が安心材料になります。

  • 年間投資枠は360万円(つみたて投資枠120万+成長投資枠240万)、生涯1,800万円まで非課税
  • 60歳前でも引き出し可能(教育費・設備投資など他の目的にも転用できる)
  • 注意:所得控除はない/元本変動リスクがある

農家のNISA入門|不安定な収入でも続けられる資産運用の始め方

3つの方法を比べてみる

お金のイラスト
方法節税(所得控除)引き出し向いている人
小規模企業共済◎ 全額控除原則引退・廃業時堅く退職金を積みたい
iDeCo◎ 全額控除原則60歳以降運用+節税を最大化
NISA× なしいつでも可柔軟さ・流動性重視
始める順番の考え方

まずは当面の運転資金・生活防衛資金(半年〜1年分)を現金で確保。そのうえで、節税効果の大きい小規模企業共済・iDeCoを軸にしつつ、流動性を残したいぶんをNISAで——という組み合わせが基本です。掛金はいつでも増減できるので、無理のない額から始めましょう。

よくある2つの質問(Q&A)

3つ全部やるべきですか?

全部やる必要はありません。資金に余裕があれば併用が節税面で有利ですが、まずは1つから。収入が読みにくいうちは、引き出せるNISAや、減額しやすい小規模企業共済から始めると続けやすいです。

農業者年金は退職金代わりになりますか?

農業者年金は終身で受け取れる公的な上乗せ年金で、国庫補助があるのが強みです。退職金(一括のまとまったお金)とは性格が違うので、年金で堅実に、という方は農業者年金、一括資金が欲しい方は小規模企業共済が向きます。

まとめ|退職金は自分でつくれます

農家に退職金はありませんが、制度を使えば自分でつくれます。代表的なのが小規模企業共済・iDeCo・NISAの3つ。前の2つは掛金が全額所得控除で節税に強く、NISAはいつでも引き出せる柔軟さが魅力です。収入がブレる農業では、まず生活防衛資金を確保してから、無理のない額で始めるのが鉄則。

節税重視なら共済・iDeCo、流動性重視ならNISA、と目的で選びましょう。併用ルールや受取時の税金まで含めると判断が難しい場面もあります。

shoei

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出典・参考
・日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について
・総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2024年
・中小企業基盤整備機構「小規模企業共済 制度のしおり(令和8年4月改訂版)」
・厚生労働省「iDeCoの拠出限度額および加入可能年齢の引き上げ(2026年12月制度改正)」
金融庁 NISA特設ウェブサイト(新しいNISA制度の解説)

※本記事は一般的な情報提供であり、特定の金融商品・制度への加入を推奨するものではありません。掛金上限・税制・各制度の要件は改正される場合があります。最新の内容は各公式サイトでご確認のうえ、ご自身の状況に応じて専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

農業|ライター|千葉県山武郡横芝光町でコシヒカリを始めとしたおいしいお米を生産|Word、ドキュメント、WordPressでの記事の執筆|日商簿記2級|FP3級|食品衛生責任者|英検2級

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