
価値観が合わなくて、正直逃げ出したい……



両親や祖父母と一緒に農業をしているけど、なかなかうまくいかない……
後継者の立場で家の農業を引き継いだ人なら、一度はぶつかる壁ではないでしょうか。 家族だからこそ言えないことがある——それが家族経営の難しさであり、後継者不足の一因でもあります。
私自身、祖父母と米農家を営み始めて4年目になりますが、家族内でのぶつかり合いは何度も経験してきました。感謝の気持ちはあるのに、なぜか意見が衝突したり、言いたいことを飲み込んでしまったりと、家族経営の難しさを身をもって知りました。
しかし現在は、揉めることもなくなり、昨年の3月には田んぼを後継し、農業ブランド「TACHIFARM」を立ち上げることができました。
この記事では、家族と農業を続ける上で直面しやすい問題と、その解決策を実体験をもとにお伝えします。



米農家を後継しようと考えてる方の参考になれば何よりです!


【そのままで大丈夫?】農業で生まれる家族とのミゾ


経験値の差が生む「やり方の対立」
祖父母は何十年もかけて積み上げてきた農業の”自分流”を持っています。田んぼの水管理のタイミング、肥料の量、草刈りの頻度。どれも長年の経験から来る確信があります。
一方、若い農業経営者は、農業のデータや新しい栽培技術を参考にしながら経営を考えます。どちらも間違っていないけど、それぞれの「正解」が違うから、ぶつかることに——
言葉にされない期待とズレ
農家の家族経営では、役割について「明示的に決めた」ことがないまま動いているケースが多いです。
「祖父が田んぼの管理をしてくれている」「祖母が選別作業を担ってくれている」——これはありがたいことですが、誰もその範囲をはっきり決めていません。
結果として、「こっちはやっているつもり」「あっちはやってもらえると思っていた」というすれ違いが積み重なっていきます。
家族で経営している農家の場合、親から子へと事業を引き継いでいくのが一般的だ。
しかし、農業の事業承継にはさまざまな問題が横たわっている。親子ならではの課題も少なくない。
親子間における事業承継の難しさとはいったい何だろうか。
【後継者不足のワケは?】家族と農業がうまくいかない3つの原因


①農作業の「正解」が世代で違う
うちでは水稲を育てていますが、祖父は目視で苗と向き合う考えを持っています。一方、私は書籍やネットの資料を参考にしていました。どちらも根拠のある話ですが、お互いが「自分のやり方が正しい」と思っているから、話し合いになりにくいです。
世代間の農業知識のズレは、誤りではなく「時代の違い」です。
②役割分担が「曖昧」になりやすい
農繁期には自然と全員が動きます。でも農閑期になると、誰がどこまでやるべきかが見えにくくなります。
経理・書類仕事・機械の点検・草刈り・排水路の管理……。これらは特定の人が「担当」と決めていないと、誰かが黙って引き受け続けることになります。その積み重ねが、知らないうちに疲弊と不満につながります。



「言わなくてもわかる」は、家族農業の最大の落とし穴です。
③体力の「変化」を口にしにくい
祖父母が70代に入ると、体力の衰えは避けられません。でも「もう無理だ」と言い出すのは難しい。「弱みを見せたくない」「まだ役に立ちたい」という気持ちが先に立つからです。
私の祖母も、稲刈り作業をしてたとき、熱中症で体調を崩したことがありました。「言ってくれればよかったのに」と思う半面、言い出せない空気をつくっていたのは私自身でもあると、後から気づきました。
家族と米農家を長く続ける3つの解決策


①「任せる領域」を言葉ではっきりさせる
役割分担は、暗黙の了解ではなく言語化することが大切です。たとえば、「祖父は田んぼやトラクターなどの現場担当」「祖母は事務のサポート」というように、作業の担当範囲をはっきり決めます。
家族全員で作業分担の確認し、「今日はハウスの水管理をお願い、俺は〇〇の田んぼで耕うんしてくる」みたいに話すことで「あれは誰がやるの?」という場面が明らかに減りました。



担当を決めることは、相手への信頼を形にすることです。
②農業上の判断は「自分の思い」を冷静かつ前向きに伝える
やり方が違うとき、「あなたのやり方は古い」ではなく「こういうデータがあるんだけど、どう思う?」という姿勢で話す。これが大事です。
祖父の経験値には、長年の観察から来るリアルな記憶が詰まっています。データと経験を組み合わさったとき、一番強い農業の体制ができあがります。



50年以上農業をしてる祖父母の経験は比類なき資産です!
③作業スケジュールを毎年見直す
「去年できたから今年もできる」は通じません。特に60代後半から70代にかけては、体力の変化が大きいです。
私は毎年3月の農作業開始前に、祖父母と「今年はどんなスケジュールでいくか」を話し合うようにしています。重い作業・暑い時間帯の作業は私が担う。午前中の涼しい時間帯やトラクターでの作業は祖父母に向いている。こういう設計を意識するだけで、無理がなくなります。
家族経営でもうまくいく!今日からできるアクション5選
| No. | 取り組み | ポイント・ひとこと |
|---|---|---|
| 1 | 役割分担シートを1枚つくる | 作業名・担当者・頻度を書いたシンプルなものでOK。曖昧さをなくすことが目的。「言ったはず・聞いてない」のトラブルが減ります。 |
| 2 | 農作業の判断に根拠を一言添える | 「農協の指導でこうなった」「去年これで失敗したから」など短くていい。根拠があると相手も納得しやすくなります。 |
| 3 | 月1回、短い振り返りタイムを設ける | 「今月どうだった?きつい作業はなかった?」と聞くだけでいい。体調や負担の変化を早めにキャッチできます。 |
| 4 | 感謝を言葉にする習慣をつくる | 「ありがとう」は当たり前に聞こえますが、言い続けることに意味があります。毎日の積み重ねが関係の土台をつくります。 |
| 5 | 決めた方針は紙に書いて共有する | 「今年の栽培方針」「今年の目標収量」など、口頭だけでなく紙やホワイトボードで見せることで、祖父母も経営の一員として意識が高まります。 |
まとめ|家族は最高のチームメンバー


家族と一緒に農業を続けることは、決して簡単ではありません。やり方の違い、役割のあいまいさ、体力の変化——これらは時間とともに必ず出てきます。
でも、それを「家族だから仕方ない」で流すのではなく、ひとつひとつ言葉にして、続けられる仕組みを話し合い、解決していくことが、長く一緒にやっていくための唯一の方法です。
家族と田んぼに立てる時間は、有限です。だからこそ、今の関係を丁寧に育てていきたいと思っています。



この記事が、同じ悩みを持つ農家の方の励みになれば嬉しいです。












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