田植え機、沈む──朝から始まった「救出作戦」

本日は、早朝から“田植え機救出作戦”を決行しました。
というのも、昨日の作業中、田植え機がぬかるんだ田んぼに深くはまり込み、自力では脱出できなくなってしまったのです。

そのため今朝、総勢6人で現場に出動。
用意したのは、1台のバックホウと、足場用に使う3mのアルミ矢板10枚。
しかし、救出作戦のスタートを待ち受けていたのは、まさかの「大雨」でした。
カッパの準備もなかったため、私たちは全身ずぶ濡れ。冷たい雨が体に染み込み、朝から過酷な作業の始まりです。

まずは、田んぼ内に矢板を敷いて足場を作ります。
一歩踏み出せば、足がズブズブと沈む深い泥。長靴の中もすぐに水浸しになり、体の芯まで冷え切りました。
それでも一枚一枚、矢板を並べていき、ようやく地盤が整ってきたところで、バックホウが慎重に田んぼの中へ進入します。

クローラーの半分が沈み込む中、ヒヤヒヤしながらも田植え機の前方まで到達。
そこでワイヤーをバックホウのバケットと田植え機のフロントに結びつけ、いよいよ引き上げ作業に入ります。

バックホウが少しずつ引っ張ると同時に、田植え機のエンジンを起動。
幸いにもマフラーが水没を免れたため、エンジンは無事にかかりました。
アクセルを軽く踏みながら、慎重に力を合わせ、ついに田植え機は田んぼからの脱出に成功──。

泥まみれでクタクタになりながらも、私たちは思わず安堵の声を上げました。
資産価値にして何百万円もの田植え機が無傷で戻ってきたこと、そして多くの方の協力によって成し遂げられたことは、まさに奇跡としか言いようがありません。

今回のことで、米農家としての試練の厳しさと、支えてくれる人たちの大切さを深く実感しました。
農業は決して一人で完結する仕事ではなく、仲間と共に支え合いながら乗り越えていくものだと、改めて感じた一日です。

なお、田植え機が沈んだ田んぼは、地盤が緩すぎるため、今期の作付けは断念することにしました。
短期間で地盤を改良することは難しく、他の農作業とのスケジュールを考慮したうえでの判断です。
もちろん収入は減りますが、機械の損傷リスクを避けたことを思えば、妥当な選択だったと納得しています。

幸いにも、被害は小さな田んぼ一枚にとどまり、TACHIFARM全体としては、すべての田植えを無事に終えることができました。
あとは、作付け後の管理──害虫や雑草対策などに注力し、秋にはたくさんのお米を皆さまにお届けできるよう、また気を引き締めて頑張っていきます。

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この記事を書いた人

農業|ライター|千葉県山武郡横芝光町でコシヒカリを始めとしたおいしいお米を生産|Word、ドキュメント、WordPressでの記事の執筆|日商簿記3級|FP3級|食品衛生責任者|英検2級

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