【先を進む農家さんから学ぶ】農業経営を行う上で大切なこと3選

実際、農家って儲かるの…?

おじいちゃんおばあちゃんの農業は後継した方がいいの…?

僕自身、4月から本格的に農業経営をスタートするわけですが、やはり不安。そこで、SNSやオンラインコミュニティを通じて、様々な農家さんに相談をしました。

今回は「先を進む農家さんから学ぶ農業経営を行う上で大切なこと3選」について解説します。先を進む4人の農家さんから様々な役に立つ情報をいただきましたので、そちらを紹介いたします。

結論からお伝えします。農業経営を行う上で大切な3つのことは「収入とコスト管理」「機械・補助金の活用」「収益多角化と営業」です。それでは、具体的に解説していきます。

目次

農業経営を行う上で大切なこと3選

①収入とコスト管理——安定経営のために考えるべきポイント

農業経営において、収入とコストの管理は非常に重要です。特に近年は、気候変動や害虫被害の影響を受けることが多く、収入の予測が難しくなっています。そのため、収穫量の見込みを慎重に立てることが求められます。一般的に、10aあたり5〜7俵の収量を想定するのが適切とされています。

しかし、収穫量が少なくても、販売方法によって収益は大きく変わります。特に、直売やネット販売など、利益率の高い販売手法を取り入れることで、収入の安定化が可能になります。市場価格に左右されにくく、消費者と直接取引することで高単価での販売が期待できるからです。

一方で、コスト面ではインフレの影響も無視できません。農業資材や機械の価格が上昇しており、5〜10%のインフレ率を想定して資金計画を立てる必要があります。特に、人件費は製造原価の大部分を占めるため、人件費をどのように抑えるかが経営のカギとなります。

そのため、受託作業や委託作業をバランスよく取り入れることが有効な手段となります。例えば、一部の作業を外部に委託することでコストを抑えつつ、自社の強みを活かせる分野に注力することができます。逆に、他の農家から作業を受託することで、収入を増やすことも可能です。このように、収入とコストのバランスを意識しながら、柔軟な経営戦略を立てることが、農業経営を長く続けるための重要なポイントとなります。

②機械・補助金の活用——農業経営のコストを抑えるために

農業機械の価格は年々上昇しており、ここ数年で3〜6%のインフレが続いているという印象があります。そのため、上記で「5〜10%のインフレで想定する」は現実味があり、これは農家にとって大きな負担となっています。特に、大規模経営を行う米農家では、機械の導入や維持にかかるコストが無視できません。

だからこそ、政策や補助金を上手く活用することが重要になります。実際、多くの米農家は国の支援に頼る形で経営を維持しており、特に機械の更新や修理に関する補助金制度は積極的に活用すべきです。例えば、水稲農業では機械の購入時に国や県の補助金が利用できることがあり、これを適切に活用すれば投資の負担を軽減できます。

つまり、農業経営を安定させるためには、いかに機械の維持費を低く抑えるかが肝となります。補助金の利用だけでなく、機械の適切なメンテナンスや、シェアリングの活用など、コストを最適化する工夫が求められます。機械の負担を減らし、利益を最大化することが、持続可能な農業経営への鍵となるでしょう。

③収益多角化と営業——農業経営の安定化に向けた戦略

農業経営を安定させるためには、収益の柱を複数持つことが重要です。その一つの考え方として、「半農半X」という事業モデルがあります。これは、穀物生産だけでなく、農作業代行事業や環境維持管理事業なども手がけることで、収入源を多様化する方法です。

特に、農業機械をフル活用して「何でも屋」として活動することは、利益アップにつながります。例えば、農作業代行を行えば、作業の空き時間を有効活用できるだけでなく、機械の稼働率を上げることでコストの回収が早まります。結果として、農作物生産だけに依存しない新たな収入源を得ることができ、一石二鳥の効果が期待できます。

中でも、農作業代行は特におすすめの収益モデルです。どの程度の利益が生み出せているかを把握するためには、機械単位で年間の収益を計算することが重要になります。この計算は、地域ごとの「農作業標準賃金(作業料金表)」に基づいて行うことで、適正な価格設定が可能になります。

さらに、安定的に受注を確保するためには、営業活動が欠かせません。具体的な方法として、直接営業やポスティングが挙げられますが、最も効果的なのは口コミです。実際にサービスを利用した農家からの紹介や評判が広がることで、新規顧客の獲得につながりやすくなります。

このように、農業経営の安定化には、収益の多角化と効果的な営業戦略が不可欠です。農作業代行や環境維持管理といった新たな事業を取り入れ、機械を最大限に活用しながら、持続可能な経営を目指していくことが大切です。

まとめ

今回は、先を進む4人の農業経営者からいただいたアドバイスをもとに、「農業経営を行う上で大切なこと3選」について解説しました。

農業は国の支援に頼る部分や資機材のコスト高騰といった課題がある一方で、「半農半X」という事業モデルを取り入れることで、収益を伸ばす可能性が広がると学びました。特に、生産・販売だけにとどまらず、派生事業にも挑戦することが、持続的な経営につながると感じています。

また、農作業代行サービスを活用し、「機械の稼働率を上げてコストを回収する」という考え方は非常に参考になりました。農作業標準賃金をもとに、農機がどれほどの収入を生み出しているのかを把握し、購入コストと稼働率のバランスを考えることが、適正な投資判断につながることを実感しました。

今期からは、作業日数を記録し、農作業ごとの収益を詳細に把握することで、より効率的な経営を目指していきたいと思います。

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この記事を書いた人

農業|ライター|千葉県山武郡横芝光町でコシヒカリを始めとしたおいしいお米を生産|Word、ドキュメント、WordPressでの記事の執筆|日商簿記3級|FP3級|食品衛生責任者|英検2級

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